地元に密着して課題を解決する企業を紹介

地域と子どもたちの未来を育むために

リビング横浜東2018年9月29日号掲載

横浜市は昨年度、事業活動を通じて地域に貢献する企業の中から、特に顕著な活動を行う2社を「プレミアム企業」と認定。私たちが暮らしやすく、かつ子どもたちの未来を考える上でのヒントが詰まった取り組みを紹介します。

横浜型地域貢献企業(ロゴマーク)
このロゴマークが目印

職場に配慮した取り組みや地域社会参加、職場環境の向上や従業員支援など、企業が果たす社会的責任="CSR"。
横浜市は平成19年度から、CSR活動に取り組む企業を「横浜型地域貢献企業」に認定。企業の成長と発展を支援しています。認定企業は459社(平成30年4月現在)にのぼります。

平成29年度から新たに始まったのが、認定企業の中から、模範となる取り組みをしている「プレミアム企業」の認定。「大川印刷」と「スリーハイ」が認定されました。
両社とも、横浜に住む私たちが暮らしやすい社会を作るためのサポートをし、子どもたちの未来を育む活動を行っている企業。2社の活動内容や思いを知って、子どもたちと地域の"これから"を考えてみませんか。

地域の課題を解決し、ハッピーな社会を実現
大川印刷

明治14(1881)年創業の大川印刷は、商業印刷物の企画・デザイン・印刷・製本等を行う企業。環境に配慮した印刷などのCSR活動が評価され「プレミアム企業」に認定されました。その取り組みや効果について、社長の大川哲郎さんに聞きました。

笑顔の顔写真
代表取締役社長
大川哲郎さん

CSR活動を始めた経緯は?

「バブルが崩壊したのが90年代半ば。価格競争が起き、安い商品を、という風潮に乗ると、社員に過酷な労働を強いたりと会社にひずみが起きます。そこで元々自分が好きだった自然環境を守る取り組みにシフトすることに。2005年に『ソーシャルプリンディングカンパニー(社会的印刷会社)』を宣言。カーボンオフセット(※1)によるCO₂排出量のゼロ化や、LED UV印刷機(※2)の導入、石油系溶剤0%の『ノンVOCインキ』(※3)の使用に取り組みました」

その効果は?

「『石油の匂いが消え、工場の空気が良くなった』と社員から喜びの声があがりました。この効果を伝えるため、工場見学を毎週水曜に開催し、体感してもらっています」

環境に配慮した商品も作っていますね

「横浜の水源地である道志村の杉の木の間伐材を使ったカレンダーなどを制作。世界的デザイナー太刀川英輔さんに依頼し、スタイリッシュなデザインに。多くの方に関心を持っていただいています。
また、地元の市民団体などと協働で作ったのが、4カ国語を併記した『おくすり手帳』。外国の方々が言葉の壁のせいで薬の安全な服用ができないことを防ぐ取り組みです」

今後の展望は?

「CSR活動で、社員を笑顔にし、地域や社会の課題解決の効果が得られました。自分たちの子どもや孫の先の代まで続くハッピーな社会の実現のため、これからも全力を尽くします」


  • ※1 経済活動で排出された二酸化炭素などの温室効果ガスを、森林保護や太陽光パネルで行う発電事業による削減活動で相殺する取り組み
  • ※2 従来のUV印刷に比べて、70 ~ 80%の電力削減
  • ※3 大気汚染や化学物質過敏症の原因となる揮発性有機化合物を含まないインキ
卓上カレンダーとマウスパッド大のメモ用紙の写真
間伐材を使用した「GREEN CALENDER」(1296円・奥)。間伐材から作られた紙を使用した「GREEN MOUSEPAD MEMO」(680円・手前)はメモ用紙型のマウスパッド。購入希望者はHPを検索。
地元の市民団体などと協働で作った、4カ国語を併記した『おくすり手帳』の写真
「おくすり手帳」(75円)は大川印刷横浜営業所で販売。
大川印刷
電話 045-812-1131
横浜市戸塚区上矢部町2053
https://www.ohkawa-inc.co.jp/
大川印刷の周辺地図

地域に愛着や誇りを持つ子どもを増やす活動を
スリーハイ

昭和62(1987)年創業のスリーハイは、産業用ヒーターの製造・販売を行っています。近隣の小学校と提携して開催する「自分たちのまちを知るこどもまち探検ツアー」が評価され、「プレミアム企業」に認定。始めた経緯や効果を、社長の男澤(おざわ)誠さんに聞きました。

笑顔の顔写真
代表取締役社長
男澤 誠さん

「まち探検ツアー」を始めた経緯は?

「東山田地区は、住宅と約80の会社や工場が混在する『準工業地域』。地域住民に各企業への理解を深めてもらい、共生したいという思いと、子どもたちに"ものづくり"である製造業を知ってほしいと考えました。そこで、近隣の小学3年生を対象に、2013年から、社会科見学『まち探検』を開始。迫力ある作業の様子を間近で体感できると人気です」

社内の効果は?

「社員が、小学校の先生や協力企業と交渉したり、子どもたちに仕事の内容を説明する内にコミュニケーション能力が磨かれるように。また、「まち探検」を引率したお母さんが当社でパートを始めるケースも。CSR活動が社員の育成や雇用確保をもたらしました」

カフェ&ファクトリー「DEN」も昨年9月にオープンしました。

「工場に併設して作りました。ショールーム、コワーキングスペース、親子工作やヨガなどのワークショップや撮影スタジオとしての貸し出しなど用途は多目的。『こんな場所ができるのを待っていた』と地域住民に好評です」

今後の展望は?

「当社は"温かさをつくる"企業ですが、それを次世代に伝えていくことも使命のひとつ。子どもたちに地域の産業を見せることで、愛着や誇りを持ってもらいたい。そのために、住民との関係をもっと密にして、地域を"温める"企業でありたいと思っています」

見学の様子の写真
「まち探検」は3つの小学校から、3年生約100人が工場を見学します。
カフェの内観
カフェ&ファクトリー「DEN」は、住宅と工場が混在する東山田地区のランドマーク的存在
スリーハイ
電話 045-590-5561
横浜市都筑区東山田4-42-16
http://www.threehigh.co.jp/
スリーハイの周辺地図

問い合わせ先

(公財)横浜企業経営支援財団 経営企画室  〒231-0011 横浜市中区日本大通11 横浜情報文化センター7階 TEL:045-225-8875 FAX:045-225-3738

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