P23_crosssync 代表取締役 医師 髙木俊介氏.jpeg
代表取締役 医師 髙木俊介氏

補助金・助成金活用 情報通信業
IDEC横浜のアドバイザーを活用 AMED事業への申請、採択後のプロジェクトを支援

AIで患者、家族、医療従事者の情報共有を加速させ、医療現場の最適化を進める
株式会社 CROSS SYNC

重症患者管理アプリケーションで診断と治療の早期化・高度化・簡易化を目指す

CROSS SYNCは、2019年に創業した横浜市立大学発の“医工連携分野”ベンチャー企業で、AIを活用した画像解析等により高度な患者モニタリングや情報共有を行う重症患者管理アプリケーションの開発及び実用化を目指す。
横浜市立大学附属病院の集中治療・救急・麻酔専門医である髙木俊介医師が、医療現場での“情報共有”という課題解決のために創業した。救急医療の現場では、医療従事者のスキルと共に、コミュニケーションと効率性が求められ、リアルタイムでの情報共有が欠かせない。様々な情報をデジタル化、医療従事者の経験と知識をAI技術で結びつけられるシステムを開発し、データ活用により診断と治療の早期化・高度化・簡易化を目指している。
「研究ではなくビジネスとして推進することで、実現の速度が早まると考えます。できるだけ早く社会実装できることが目標です」と執行役員CSO(最高戦略責任者)の南部雄磨氏は話す。開発には多くの費用がかかり、ビジネス化する上での規制対応も生じる。資金調達も会社として重要なポイントとなることから、横浜市立大学と共に、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)事業での研究開発費獲得に挑戦することにした。

AMED事業採択で社会実装化を加速

同社から相談を受けたIDEC横浜は、医療機器分野に精通する専門家を派遣。横浜市立大学によるAMED「医工連携・人工知能実装研究事業」への申請に際し、研究開発の中核を担う同社の観点から、技術的な強みの説明方法を始めとする計画書の策定を支援した。
高いハードルだったが、2022年にAMEDの事業に採択される。事業の期限は5年、IDEC横浜では、引き続きこのプロジェクトを支援している。
「今はファーストフェイズです。横浜市立大学付属病院と連携した実証研究の取組により、社会実装化を目指しています」。例えば製品開発や保険収載に向けたロードマップ、臨床試験用のデータ収集、医学会との連携等が必要となってくる。 「今後の課題は、システムをいかに広げていくかです。世の中で使える技術を開発しつつ実際の医療現場で役立てていくには、広く知られ使われていくことです。必要としている現場=病院にこのシステムを紹介し、活用をはたらきかける、そんな人材がこれから必要だと思います」と南部氏は語る。

(支援事例集2023掲載)

成功のポイント

  • IDEC 横浜では医工連携を支援しており、医療機器開発特有の課題に対応する複数の専門家から、法規制、技術、業界動向に即したアドバイスが受けられた。
  • 髙木医師の主導による臨床研究を強みとして、計画的に医療現場への導入を進めている。

一覧に戻る