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看護師が運営する訪問看護ステーション「ルナール訪問看護ステー ション」

IT・IoT・技術 医療,福祉
デジタル化による業務効率化を IDEC横浜に相談 テレワーク導入補助金を活用

訪問看護を通して安心して楽しく暮らすためのケアに奮闘中
strives株式会社 ルナール訪問看護ステーション

2022年6月にスタート 看護師が運営する訪問看護ステーション

「訪問看護」は、自宅で過ごす事を選んだ利用者のために、安心して長く過ごすためのケアを提供するサービス。ルナール訪問看護ステーションの管理者であり看護師でもある中澤祐磨氏が考える「ケア」の範囲は幅広い。
「訪問看護では、医師の指示で医療的ケアを行うことはもちろんですが、どうしたら生活が楽しくなるか、心配事の解決方法は何か、生活しやすい住環境を整えるためにリフォームなどを提案して、協力業者などと調整していく必要はあるかなど医療的な面以外にも解決すべき問題点は様々です。例えば、住環境を改善するためのハウスクリーニングやリフォームを協力業者に依頼するということも弊社独自のサービスとして実施しています。訪問看護は病院医療ではなく、地域医療サービスのため、家で生活していくために必要な課題に対応することが大事だと考えています」と中澤氏。
ルナール訪問看護ステーションのスタッフは中澤氏を含めて7名。常勤契約の看護師5名、訪問リハビリの理学療法士1名、事務担当1名体制で運営している。事業をスタートさせるにあたり、訪問の記録、予定表などをデジタル化して、スタッフ間の情報共有や引継ぎがスムーズに行えるようにしたいと考えた。IDEC横浜に相談したところ、一人一人が持ち歩けるタブレットなどガジェット類の確保を提案される。導入費用には、神奈川県のテレワーク導入補助金が利用できると案内され、申請を決めた。

看護師1人1台のタブレット 顧客情報のデジタル化で業務を効率化

補助金を活用してタブレット5台とパソコン1台を導入し、看護師1人が1台のタブレットを持ち歩くようになった。タブレットでスケジュールや訪問記録、連絡事項などを入力・共有でき、引継ぎのためにその都度事務所に戻る必要がなくなった。また、IP電話を利用できるため、訪問先での事務所との連絡が円滑になるだけでなく、コスト削減にもつながっている。
「質の良い訪問看護は、今後さらに必要とされていくと考えています。私たちが考える訪問看護の質とは、各スタッフの医療的な能力の高さはもちろんのこと、医療以外の分野の問題解決能力も含みます。会社全体としてどのようにして地域に生活している方々の課題を解決していくか、という発想がこれからの医療者には必要ではないかと考えています。そのように様々な能力を持った医療者が地域に増えていくことで、利用者が病気を抱えながらも、より快適に生活できるようになるのではないか、と考えています。私たちはこれからも医療面、サービス面でのスキルアップを続けて、利用者の皆さんの人生の課題に応えていきたいです」と中澤氏は語る。

(支援事例集2023掲載)

成功のポイント

  • デジタル化によって効率化したい目的とゴールが明確であったこと。
  • 看護師も使いこなせるレベルのデジタル化投資であったこと。

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