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独自開発したポリイミド成形体(特殊樹脂)「セプラ」の特長をいかした様々な部品。

IT・IoT・技術 製造業
IDEC横浜の支援で横浜市中小企業デジタル化推進支援補助金申請 独自開発製品の生産管理システムを刷新

オリジナル製品の開発で宇宙・航空分野にも進出する老舗メーカー
新日産ダイヤモンド工業株式会社

常務取締役がIDEC横浜のセミナーに参加 独自開発製品の工程をデジタル化へ

1963年に大型の石材用ダイヤモンド工具の専門メーカーとして創業した新日産ダイヤモンド工業。「40年ほど前からは、小さく高精密なものを作るための工具やオリジナル製品を開発、製造、販売しています」こう話すのは、第二事業部営業部長の齋藤吉朗氏。第二事業部で製造している製品は、半導体の装置や小惑星探査機「はやぶさ・はやぶさ2」の部品の一部などにも使用されている。独自開発の「ポリモンド」は、世界一タフなダイヤモンド研磨シート。工具に巻き付けたり貼り付けたりして硬い素材の仕上げに使う。同じく独自開発したポリイミド成形体(特殊樹脂)「セプラ」は超耐熱性、耐放射線性、耐薬品性が特長で、宇宙空間用の部品としても採用され、その他カッティングホイール(ブレード)の3製品を第二事業部の主力製品としている。
「まず、「セプラ」「カッティングホイール」の工程管理のデジタル化に取り組みました。お客様に価格・品質を安定的に供給していく必要があるからです。合格ラインの範囲が狭く細かいコントロールが必要ですが、これまでは担当者の職人的勘に頼っていました」。2021年には、鈴木常務取締役がIDEC横浜のデジタル化セミナーに参加。社内の機運も高まっていた。

全員で考えた新しいシステム導入 長年のルーティンを見直し、販売価格を最適化

IDEC横浜のセミナー参加後の2021年11月、IDEC横浜の相談事業を活用して、専門家の派遣が開始。現場と営業の現状や課題を確認しながら、デジタル化導入に向けたアドバイスや支援を受けた。そして2022年7月末に横浜市中小企業デジタル化推進支援補助金に申請し、翌月末には交付が決定。
「セプラ」「カッティングホイール」の工程に合わせ、受注から製造、出荷、納品までの管理システムをフルオーダーした。システムの外注先は、検討の結果、IDEC横浜から紹介された企業に決めた。どんなシステムにしたらいいのか、アドバイザーと共に、製造、検査、営業などの担当者全員が話し、知恵を出し合った。これを機に新しくやりたい課題も出てきたという。「セプラ」「カッティングホイール」工程にシステムが導入され、工程時間・稼働状況・出荷状況を一元管理、全員で共有できる ようになった。検査工程のシステムもこれから稼働、製造原価の管理がより正確化する。
「販売価格の最適化につなげたい。当社しか作っていない製品のため、現実的な値付けで供給を続けていきたい」。今後は、ポリモンドの工程でもシステム導入によるデジタル化を進めて、更なる利益率の向上を目指す。

(支援事例集2023掲載)

成功のポイント

  • 中小企業デジタル化相談を活用して業務フローの
    整理からデジタル化導入までを支援。
  • 現場と営業が連携したプロジェクトメンバーによ
    るシステム構築。
  • 社内全体のデジタル化による生産性向上への意識
    の高さ。

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