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いつかはラオパン(社長)になりたい台湾人があつまる台湾フランチャイズ関連展示会「台北國際連鎖加盟大展(Taipei International Chain and Franchise Exhibition)」
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いつかはラオパン(社長)になりたい台湾人があつまる台湾フランチャイズ関連展示会「台北國際連鎖加盟大展(Taipei International Chain and Franchise Exhibition)」

展示会の様子

いつかはラオパン(社長)になりたいと考える人が多く、起業意識が強いと言われる台湾人。そういった起業希望者が集まる台湾フランチャイズ関連展示会「台北國際連鎖加盟大展(Taipei International Chain and Franchise Exhibition)」をご紹介する。

開催規模・来場者数

展示会フロアマップ(2023年9月開催)
TaiPei Building Show 2023 展示会フロアマップ(2023年9月開催)

主催者側発表では、2023年9月開催で、400小間、130社(ブランド)の出展があった。会場はTaipei 101の近くの台北世界貿易中心(Taipei World Trade Center)であり、起業を考えている個人の入場が多いこともあって毎回盛り上がる展示会でもある。

入場者に関しては主催者側発表でも詳しい数字が上がっていないが、新型コロナ(COVID-19)の影響があった2021年9月の段階で会期4日間で13,000人前後で、例年の15%減という報道があった。また毎年のように入場者が増加している旨の報道があるため、会期4日間で1~2万人程度の入場者はいるのではないのではないかと思われる。

会場でフランチャイズ加入契約成立を狙う

展示会の目的は明確であり、出展者のほとんどはフランチャイズ本部、入場者のほとんどは加入を考えている起業希望者であり、起業意識が強いと言われる台湾の事情が反映されるのか、2023年実績で、台北で春・夏・秋の3回、あと台中と高雄で1回づつ、計5回展示会が実施されている。

多くの展示ブースでは打ち合わせ席が多数設けられ、主催者側でも推奨しているせいか、展示会場限定の加盟金割引などの特典が用意されている。こうやって会場を盛り上げて加入契約を促すのである。

経済効果もなかなかのもので、報道によると2023年9月開催時には、展示会場で1000店舗近い出店が契約され、そのことによる経済効果は20億台湾元(90億日本円、1台湾元=4.5円で計算)に上るという。展示会場で契約後、クーリングオフなどもあるであろうし、この数字をそのまま受け入れて良いかどうかは判断が難しいが、この展示会の盛り上がりぶりを示す数字であると言える。

展示内容

ドリンクスタンド(ブース設営中)
ドリンクスタンド(ブース設営中)

出展者のほとんどはフランチャイズ本部で、業界は飲食業が多い。日本でも有名なタピオカミルクティーなどを売るドリンクスタンドもフランチャイズ形式で経営していることが多い。

コインランドリー(ブース設営中)
コインランドリー(ブース設営中)

外食以外もコンビニエンスストア、コインランドリー、学習塾など生活に密着した産業も多い。

屋台でのフランチャイズ加盟も
屋台でのフランチャイズ加盟も

外食は必ずしも本格的な店舗とは限らず、屋台での加入もある。観光で有名な夜市にもフランチャイズ加盟店が存在するのである。

国際化・台湾外への展開も視野に

台湾のフランチャイズ本部は国際化、台湾外への展開にも熱心である。ただし日本人が考えるほど言葉などの敷居が高いわけでなく、中国大陸や東南アジアなど、ある程度中国語が使える人がいるエリアがきっかけとなることが多い。

例えばドリンクスタンドの大手は台湾以外に中国大陸や東南アジアなどを中心に多数の台湾外の店舗があることが多い。他の飲食についても中国大陸に台湾以上の店舗数を抱える台湾のフランチャイズも多く、台湾のフランチャイズは国際化はかなり当たり前になっている。

日本企業・ブランドの展示も

日本企業・ブランドの展示(ブース設営中)
日本企業・ブランドの展示(ブース設営中)

ほぼ毎回、日本企業・ブランドも出展をしている。写真は「コメダ珈琲店」だが、筆者が知る限りでは、飲食に限らず、コンビニエンスストアや学習塾など幅広い分野で日本企業・ブランドからの出展がある。

フランチャイズ加入者が資金と人材を提供してくれる

台湾への進出にフランチャイズ方式を使う大きなメリットの一つは、本部からノウハウを提供する代わりに、フランチャイズ加入者が開業に必要な資金や人材を提供してくれることである。

とくに飲食などの場合、店舗を構えるために必要な開業資金もそうだが、フランチャイズ加入者が経営者として店長になることが多いのが大きなポイントである。台湾だと普通のアルバイトではなく、店長など管理責任を負うポジションの人材の雇用や定着がなかなか難しいので、フランチャイズはそういった人材を確保する側面もある

先述の「コメダ珈琲店」は2018年2月28日に1号店を出店し、現在台湾全土に30店舗ほど店舗を構えるが、公式ウェブサイトに掲載されている店舗名から見るに16店舗が加盟店のようである。もちろんコメダ珈琲店ほどの規模になれれば直営店だけでも充分に拡大できると思われるが、資金がそこまで潤沢でない企業の場合はフランチャイズ方式は大きな効果があると思われる。

ノウハウのパッケージ化への要求は高い

フランチャイズはそれなりに成功実例を持つフランチャイズ本部がそのノウハウをパッケージ化して、加盟者に提供することによって成立する。パッケージの内容は様々だが、ブランド・商標、看板、店舗デザイン、従業員のユニフォーム、メニュー、教育・訓練、運営など様々な事項のマニュアルが含まれる。

筆者の経験では台湾のフランチャイズ加盟希望者は、例えば飲食関係のビジネスをやる場合でも飲食関係の経験どころか自宅で調理をした経験すらほとんどない人も少なくなく、本部における作業標準化、合理化、マニュアル化、そして教育・訓練プログラムの充実度への期待が高い。

台湾直営店を一度運営したほうが良い

また開店までの開業費用が具体的に算定できるかどうかも、加盟候補者が早期に仮名を決断するかのポイントになる。内装費用などは台湾で実際に施工をしてみないと説得力のある予測値を用意することすら困難だろう。

また教育訓練はOJTを主体にするとしても、日本の運営方法をそのまま台湾現地に持ってこれるかは分からない。また教育・訓練を日本に呼んで行うのもフランチャイズ加入者には大きな負担となる。よってフランチャイズ形式で台湾に展開する前に1店舗は直営店で運営してみるほうが加入者募集を進めやすいのではないかと考えられる。

フランチャイズ本部機能の整備をしながら台湾で加入者を探せるか?

台湾での直営店開店が資金的に困難な場合、最初になんとか開店したフランチャイズ加盟店を「準直営店」的な位置付けにしようとすることも多いが、筆者が見るに台湾側に充分なメリットが提示できるかがポイントであると思う。

日本であれば、ある程度信用できる知り合いなどに頼んで、フランチャイズ本部として色々整備する際に、ビジネスモデルやメニュー、マーケティングなどの検証等に関して協力してもらうことができるかもしれないが、台湾でそれが可能かどうかは未知数である。

なによりも、いくら日本側がオリジナルでも、それを台湾に展開するにはローカライゼーションの作業がかなり必要であり、このほとんどや標準化、マニュアル化などを台湾側に任せた場合は、台湾側の貢献の方が大きくなることもあり得る。

台湾側にやらせることが増えれば増えるほど、日本のノウハウを台湾で活用するために台湾側で色々試行錯誤した台湾現地のノウハウが蓄積されるわけで、これを日本からの指示で、安易に他者に教えろというのは酷な話である。最初に述べた通り、台湾側とどう利益分配するかも含めてしっかり検討する必要があるだろう。

出展費用を抑えるには「標準ブース」

「標準ブース」での出展
「標準ブース」での出展

しっかりと市場調査をした上で、いよいよ出展に挑戦する場合の費用だが、台北・2024年・3×3メートル×1小間(こま)の「標準ブース」で55,000~60,000台湾元である。為替相場は変動するが、仮に1台湾元=4.5日本円で計算すると、25~27万日本円くらいである。

「標準ブース」とは展示会(見本市)主催者が指定する内装業者がブース間の仕切りや看板、絨毯、受付台、椅子、LEDスポットライト、電源などをあらかじめ設置したブースである。もちろん「スペースのみ」申し込み、自分で内装業者に内装をお願いすることも可能だが、まずは「標準ブース」で不足する装飾を追加する方が予算はコントロールしやすいと考えられる。

横浜市の中小企業はまた横浜市やIDEC横浜の助成制度を上手く活用できると、さらに出展費用を抑えられるだろう。

参考文献

※閲覧日はいずれも2024年02月20日

  • 史上最大、2023秋季加盟展圓滿落幕!加盟簽單率成長10%以上、破千家實體店準備開(幕 @ 食力foodNEXT‧食事求實的知識頻道 https://www.foodnext.net/news/newsnow/paper/5852867341)
  • 「2020年台北國際連鎖加盟創業大展--... | 經貿透視雙周刊 (https://www.trademag.org.tw/page/itemsd/?id=761230&no=48)
  • 台北國際連鎖加盟大展 - 维基百科,自由的百科全书 (https://zh.wikipedia.org/w/index.php?title=%E5%8F%B0%E5%8C%97%E5%9C%8B%E9%9A%9B%E9%80%A3%E9%8E%96%E5%8A%A0%E7%9B%9F%E5%A4%A7%E5%B1%95&oldid=75012869#cite_ref-6)
  • コメダ珈琲店が台湾進出 台北・中山区内に1号店 - 台北経済新聞 (https://taipei.keizai.biz/headline/119/)
  • フランチャイズ経営のメリット・デメリットは?加盟店側・企業側それぞれ解説 (https://www.stepgolf.co.jp/articles/1406)
  • フランチャイズのメリットとデメリットをわかりやすく解説 | DOの事業展開・拡大を検討する経営者向けコラム|不動産のフランチャイズならハウスドゥ【東証プライム上場】 (https://fc.housedo.co.jp/media/020004/
  • Komeda's Coffee 客美多咖啡 (https://komeda.com.tw/store
  • CoCo都可 - 維基百科,自由的百科全書 (https://zh.wikipedia.org/zh-tw/CoCo%E9%83%BD%E5%8F%AF)

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筆者について

IDEC横浜・海外サポートデスク(台湾)
Pangoo Company Limited 代表 吉野 貴宣
https://www.pangoo.jp/

注意事項

本レポートの内容は筆者個人の見解であり、IDEC横浜を代表するものではありません。また可能な限り注意を払って調査・考察しておりますが、万一誤りや不十分な点がございましたらご容赦ください。


公開日時
2024年3月4日(月)