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コロナで勢いを見せた地場企業
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海外現地レポート

ベトナム「コロナで勢いを見せた地場企業」

 厳しいコロナ対策が取られていたハノイでは4月23日、収束に向かっているとし制限緩和が発表された。翌週30日には南部解放記念日が続き、国内メディアは団結・収束・復興ムード満載である。コロナ影響下にも関わらず第1四半期経済成長率が前年比3.82%とプラス成長となったこと、更には中国から撤退する各国メーカーの移転先となるチャンスを睨み、ベトナム政府はポストコロナの経済回復に前向きな姿勢を見せている。

 コロナ禍のこの時期は地場企業、特に医療とIT分野でのスタートアップも勢いを見せた。Vin Group傘下で国内発の自動車メーカーVinfastとVinSmartが人工呼吸器の生産を開始した。[1]保健省、各国専門家、同傘下Vinmec病院の監修のもと自社開発したVFS-410 と、米トップ人工呼吸器メーカーMedtronicの技術を応用改良したSmart VFS-510の2機種を5月15日に初出荷予定である。

 検査分野においても軍医病院とViet A社がPCR検査キットを共同開発、[2]英国とEU全域での販売認証(CE)とWHOの基準認証を取得し輸出している。また抗体検査では、中央感染症衛生研究所長崎大学と共同で精度95%のELISA方式を用いた抗体検査キットを開発しており、現在量産に向けた準備が進められている。

 遠隔医療システムの導入も加速し、政府は、家庭や遠隔地で医療サービスが受けられる遠隔医療モデル構築・導入を進めた。[3]4月にハノイ医科大学病院と地方4か所のサテライト病院を繋ぐ試験的導入を開始、今後の全国展開を目指す。患者データ管理や医療機関管理にはMed 247、e DoctorVOV Bacsi 24ベトナム発のアプリが活用される。医療関連ではこのほか、医師の検索や初診予約をサポートするアプリBookcarer、Dr.Oh、YouMedなども誕生している。

 今回技術力を発揮したこれらスタートアップビジネスのポストコロナでの活躍に期待したい。

ベトナムサポートデスク
(日本テピア株式会社 飯田まどか)
2020年5月




公開日時
2020年5月18日(月)