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安心安全なパンを作り続ける「かもめパン」本店。 学校給食のパンでも知られる。

補助金・助成金活用 製造業
IDEC横浜の後押しでグリーンリカバリー設備投資 補助金を申請、省エネ効果を実感

ハマっ子の給食パンでお馴染み、大正13年創業の老舗パン屋さん 冷凍設備交換のタイミングを模索していた2022年度
株式会社かもめパン

冷凍機器の買い替えを検討 廃棄ロス対策がきっかけ

かもめパンは2023年に創業99年を迎える。戦中戦後の食糧難に対応するため、神奈川県からの指令で配給用パンを製造することになったのが1945(昭和20)年頃。ちょうど横浜市では学校給食が始まる頃で、以来、市内の小学校のために給食パンを作り続けてきた。現在では、約100校の小学校の給食にパンを提供している。
同社は、おいしくて安心安全なパンを提供し続けるために、経営改善に長年取り組んできた。また、食品ロスに早くから注目し、対策を試行錯誤してきた。
「パンのロスは、急な注文の増減に対応する上で、どうしても生じてしまいます。そのため、廃棄ロスになりそうなパンを取り寄せできる通販サイトに出店し、できる限り廃棄ロスを減らす取組に力を入れています」かもめパン総務部部長の藤江妙子氏はこう話す。通販サイトを始めた当初は、3台ある冷凍庫をフル稼働させ、パンをおいしいうちに冷凍して宅配便で送っていた。使っているうちに、冷凍庫の機能やサイズが気になり始めていたが、長年使い慣れており、まだ使えるものを捨てることに抵抗感があった。また、
買い替えにかかる費用も不安だった。
「ちょうどそんな時に、冷凍機器メーカーから買い替えを提案されました。活用できる補助金もあるとの話でした。2022年4月のことです」。

最新冷凍機器の導入で省エネも廃棄ロス減も実現

買い替えることがベストなのかどうか。迷った藤江氏は、早速旧知のIDEC横浜の職員に相談。従来の冷凍機器3台分を稼働させた場合と、最新機能を搭載した大型冷凍機器1台を稼働させた場合の消費電力・経費を比較し検討することにした。
「数値化すると約15%省エネとなり、最新機器がいかに省エネになるかが一目瞭然でした。グリーンリカバリー設備投資補助金を活用できることも判明し、IDEC横浜には補助金の申請方法も支援していただきました」。
こうして、2022年8月に最新冷凍機器を導入。機能面では、瞬間冷凍温度がより低くなり、庫内サイズが大きくなった。パンは焼き上げる前の状態で冷凍し、需要に合わせて焼き立てを提供している。また、チョコレート掛けなどの二次加工作業も計画的に行えるようになり、人材のやり繰りがスムーズになったことで、急な超過勤務も発生しにくくなった。
「廃棄ロス対策がきっかけで導入した最新冷凍機器ですが、廃棄ロスが激減するだけでなく、作業時間が削減されるなど業務の省力化にもつながりました。新しいことに挑戦する時間も得られたので、これからいろいろな可能性が広がっていきそうです」。

(支援事例集2023掲載)

成功のポイント

  • まだ使えるためもったいないという意識で冷凍機器を使用していたが、IDEC横浜への相談により、具体的な数字を提示され、背中を押され更新を決断した。
  • 機器の更新により、省エネだけではなく、廃棄ロス減につながり、業務改善にもつながった。

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