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現在開発中の基礎化粧品。左からクレンジングフォーム、オールインワン美容液、化粧石けん

海外展開 学術研究,専門・技術サービス業
横浜ビジネスエキスパート相談活用!アジアへの橋渡し

クラゲで未来を豊かにすることを目指し海を越えて展開されるチャレンジ
株式会社海月研究所【学術研究,専門・技術サービス業】

クラゲの未知なる可能性を開いて持続可能な社会の実現に貢献

その幻想的な姿で水族館では人気者ですが、大量発生すると漁業や観光業に影響を及ぼすだけでなく発電所の安定操業の妨げにもなるなど、海では厄介者となることが多いクラゲ。大部分が廃棄されるだけのこの生物を、資源として有効活用することで未来を豊かにしたいという思いから、2009年に設立されたのが株式会社海月研究所(くらげけんきゅうじょ)です。
同社はコラーゲンやムチンなどの成分をクラゲから抽出する技術を開発して特許を取得。そして、それらのクラゲ由来の成分を化粧品、食品、医療品などに使用して市場に供給することで、SDGs の複数の目標に貢献する事業を展開しています。
設立から12年を経た2021年の夏、同社の山上社長のもとに、ある中国企業から連絡がありました。用件は「クラゲ由来のコラーゲンを配合した化粧品を中国で作って販売したいので、原料を1kg 購入したい」というもの。中国企業との取引が初めてだった山上社長は、IDEC 横浜の国際ビジネス支援担当部署に相談することにしました。

現地商取引に呼応した適切な契約書類の作成

まず、その中国企業から求められたのが「授権証明書」。山上社長は初めて聞く言葉で、それがない場合はどうなるかを相手先に尋ねたところ、「工場からの要望なのでキャンセルになる」との回答がありました。
IDEC 横浜の中国ビジネスのエキスパートによれば「授権証明書」とは、取引や委託業務の範囲を明確にする書類で、中国企業との取引では求められるケースが多いとのこと。日本産の原料が使われていると中国では目を引き、売れるという理由から、同社の原料を使用した商品である旨をパッケージなどに明示するために、この書類が必要だったのです。
さらに、取引をするにはしっかりとした契約の締結や商標出願が必須ということで「売買取引に関する基本契約書」も用意。エキスパートによる的確なアドバイスのもとに作成した書類を取り交わし、無事に中国への輸出が実現して、中国での販売が行われています。
今回は小さな取引でしたが、同社の海外への販路拡大においては大きな一歩となったことは確かです。今後は台湾などへの進出も視野に入れる株式会社海月研究所をIDEC 横浜は引き続きサポートしていきます。
【2022年度支援事例】

成功のポイント

  • 中国では化粧品の市場規模が年々拡大しており、クラゲ由来の天然素材を有効活用している珍しい取組が、中国企業の目に留まり、問合せにつながった。
  • IDEC横浜のエキスパートへ相談したことで、中国ビジネスにおいては、契約書などの書類の重要性を認識し、慎重でありながらもスピーディーに契約を進めることができた。商標権の必要性についてもアドバイスを受け、ターゲットとする中国と台湾に商標出願中。

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