26 株式会社キョーワハーツ画像2_R.jpg
工場内で作業に集中する従業員の方々

経営改善 製造業
事業承継課題の優先度を専門家とともに整理

常に新たな提案を模索する金型屋の事業承継。 父が娘へ伝える“ものづくり”
株式会社キョーワハーツ【製造業】

時代の流れに合わせて、“受け身”の 姿勢から “提案型”へシフト

キョーワハーツ(港北区)は、「薄い」「小さい」「細い」など細かなプレス加工製品の製造を得意とする金型屋だ。「そこまでやるかの金型屋」を掲げ、最短3日の特急試作、「精度が上がらない」などの悩みを抱える技術者の支援など、さまざまな取り組みを実施 。自社で開発した可動式ファイル「NOUQUE(ヌーケ)」の販売も行う。同社は創業後、金属プレス加工を中心に、固定電話、トランジスタラジオ、携帯電話など、時代の変化に合わせて各々の製品に必要となる部品を製造してきた。しかし、「従来の下請取引だけでは厳しい時代になりました。そこで、自社製品の開発・販売など提案型営業にシフトすることにしたのです」と坂本社長は話す。

父の背中を見てきた娘が決意した 「会社を引き継ぐこと」への想い

現在、同社は事業承継にも取り組んでいる。後継者は坂本社長の娘の留実さんだ。大手ITベンダーでSEをしていたが、2019年8月に会社を継ぐことを決心。今は現場で、加工技術や品質管理などを学んでいる。「年齢を重ねてきた父を見て、何か自分にできることはないかと考えていました」と話す留実さん。結論は「会社を継ぐこと」だった。理系出身でもあることから、抵抗はなかったという。
坂本社長は留実さんに技術だけでなく経営理念も引き継ごうとしている。「私は、会社経営の基本は“人を大事にすること”だと考えています。これは必ず伝えたいことですね」とのこと。そして、「新しい形の“ものづくり”を生み出してほしい」と話した。【2020年度支援事例】

成功のポイント

  • IDEC横浜の専門家が、課題の整理と事業承継に取り組むうえでの優先順位をガイドした。
  • 坂本社長が築いた理念や卓越した技術を娘の留実さんが継ぐと申し出をしたことにより、事業承継の取り組みが加速した。
  • 三女である留実さんの大手ITベンダーでの経験を活かし、新しい形の“ものづくり”を生み出している。

一覧に戻る