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シリコンラバーヒーターもニーズに合わせ手作業で調整

海外展開 製造業
海外市場開拓支援事業を活用し、各国の市場や情勢を研究。オンラインでの国際展示会/商談会に参加

視察や展示会で海外とつながり
株式会社スリーハイ【製造業】

社内の国際化を進めて商機をつかむ

「保温・加熱、予熱、結露や凍結の防止などの問題は、あらゆる産業で起きています。それらの問題を解決できるのが私達のヒーターです」。スリーハイ(都筑区)は、東山田準工業地域内で産業用ヒーターの製造・販売を行っています。必要に応じてヒーターの形状から温度の制御までハンドメイドでカスタマイズし、多くの生産現場を支えてきました。これまでは国内販売がメインでしたが、産業界の変化などを視野に、数年前より海外市場の開拓も進めています。

米国進出も動き出す

海外の現場を知るためにアメリカ視察やフィリピンのユーザーを訪問しました。「商社などを通すとユーザーの声が聞こえにくいのですが、現地で『こんなこともできるよ』と直接話をするなかで、私たちの技術が活躍できる場所がまだまだあると確信しました。まずは動くことが大事ですね」と男澤誠社長。外国人インターンの受け入れや、英語の社内朝礼などを行い、海外に携わっていない社員にも海外ビジネスへの理解を深めてもらう一方で、英語の堪能な広報や貿易実務経験者を採用するなど営業統括本部を支える業務環境も整えていきました。
2020年にはIDEC横浜の市場開拓支援事業を活用し、専門家と定期的に各国の市場や情勢を研究しながら、英語のウェブサイトや動画、カタログなどの制作を進め、オンラインでの国際商談会/展示会などへの参加も始めました。ヒーターは、作動しても動きがなく温度も目では見えないため、どうすれば動画やカタログ越しに製品の良さを伝えられるか試行錯誤の連続です。また、実際に各国とやりとりをするなかで、国ごとに異なる電気製品の規制や特許、輸送における品質管理などの課題も見えてきました。
「当社の強みは直接現場とコミュニケーションをとることで、最も発揮できます。商機が来たらすぐに動けるよう準備を進めています」と男澤社長。視察で訪れたアメリカでは、現地で製品を売り込んでくれる代理店が見つかり動き出しました。インターンや商談会、外部専門家など、人とのつながりを活かし社内に風を送りながら、海外展開を一歩一歩進めています。【2021年度支援事例】

成功のポイント

  • 海外事業を強化するため、英語や貿易に強い人材を補充し、海外チームを結成した。
  • SWOT分析(※)を行うことで、国内市場では強みだったが海外では弱みになる部分について分析し、海外戦略を練り直した。
    (※)企業や事業の外部環境や内部環境を、強み・弱み、機会、脅威の4つのカテゴリーで要因分析し、戦略の立案の基盤を築くこと。
  • 2020年に社員全員(社長やものづくり部も含め)がTOEICを受験し、海外展開に対する社内的な士気を高めた。

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