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シャフト用の検査装置

IT・IoT・技術 製造業
専門家によるマッチング支援で自動化ニーズに応える

ソフトからハードまで一手に開発
アイエスシー株式会社【製造業】

オーダーメイドの高精度な外観検査装置

食品や化粧品、機械部品から工業用素材まで、ものづくりのあらゆる現場で欠かせないのが「外観検査」です。形状や色、キズや汚れ、異物混入などさまざまな視点で製品を検査し、不良品の流出を未然に防いでいます。アイエスシー(港北区)は、この外観検査の装置を開発から製作まで、一手に引き受けることができる数少ない会社です。同社の寺田浩之社長はデジタル・ハイスピードカメラのソフトウエア開発に携わった経験から、高度な画像処理技術を強みとして事業を展開しています。
同社のもう一つの強みは、現場ニーズに合わせたオーダーメイドで装置を受託できることです。顧客の要望を聞き、最適なシステムやソフトウエア、ハードウエアを選択し、必要があれば開発まで行ってワンストップで製品化します。「大手メーカーでは採算がとれにくい案件が得意です」と寺田社長は言います。
外観検査の自動化ニーズは、業務効率化、生産性向上をはかりたいという中小企業において増えてきています。IDEC横浜ではこうした要望に応じ、同社をマッチング先として紹介するなどの支援を行っています。

人間を超える検査を

国内の製造現場では人手不足が深刻化しています。それに伴い、検査装置の高度化、多様化もますます進んでいます。
たとえば市内の米菓子の工場では、微妙に色形の違うあられの良・不良の選別をベテランの職人に頼っていました。自動化も考えましたが、既存の検査装置では難しかったそうです。そこでアイエスシーがAI(人工知能)によるディープラーニングを使った高精度な検査装置を開発し、納入。現場での選別作業の軽減に寄与しています。
一方、ロボットの活用にも注力しています。産業用ロボットに人の動きを学習させ、画像検査技術を搭載すれば、検査工程の自動化が実現できます。「検査の段取りから搬送までを一貫して自動化できます。やるからには、人間の検査を超えなければ意味がありません」と寺田社長。人手不足に悩む中小企業の頼もしいパートナーとして躍進中です。【2021年度支援事例】

成功のポイント

  • 大手メーカーでは対応しにくいさまざまな画像処理技術を組み合わせた製品の提供に特化している。
  • わかりやすいウェブサイトで新規顧客を開拓。
  • ロボットとAIなど将来を見据えた成長戦略を実行している。

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