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完成した防滑シート

販路開拓 建設業
IDEC横浜の継続的な技術支援を受け商品開発へ

開発も販促もコラボでパワーアップ 「滑らない」自信作、全国へ
株式会社ショウエイ【建設業】

飲食店の厨房や介護施設の課題解決に挑戦し 床の防滑シートを開発

雨の日にコンビニエンスストアに入ると、黄色い転倒注意のサインを見かけることがあります。コンビニエンスストアに限らず飲食店の厨房や介護施設などで足を滑らせると労働災害や訴訟などにつながるため、転倒防止はそうした業界の課題の一つになっています。
都筑区でタイル工事業を営むショウエイは防滑塗装を手掛けてきましたが、施工に人手や時間がかかるため、受注数を思うように増やせずにいました。塗装は完全硬化に一晩かかるため、営業を止めるのを嫌う店も多かったのです。
そこでショウエイの今西社長は、購入者が自分で貼るタイプのシートを発案。それなら人手がかからず、貼ってすぐに実用強度になれば営業の邪魔になりません。 このアイデアを川崎信用金庫に相談したところ、川崎信用金庫とIDEC横浜と共催した大手企業の開放特許と地域中小企業をマッチングする「知的財産交流会」に誘われ参加。富士ゼロックス(現富士フィルムビジネスイノベーション)が持つ自己再生塗料の特許とのマッチングが成立しました。

支援を得て量産化に成功 吉本芸人との販促コラボで注目度アップ

防滑シートは、シート基材・塗料・粒状の骨材の3層でできています。骨材を塗料に定着させるのが難しく、層の素材や配合、形状の組合せをいくつも試しました。富士ゼロックス社やOEM工場、IDEC横浜ものづくりコーディネーターの協力も得て、令和2年1月、滑り抵抗係数(CSR値)乾燥時0.9、湿潤時0.84(自社測定)のシート量産化に成功。これは、バリアフリー新法に基づく「建築設計標準」による履物着用の場合の推奨値(案)である0.4を大きく上回るものでした。
しかしその矢先、コロナ禍に。営業活動をできずにいると、今度は川崎市産業振興財団のマッチングで吉本芸人と「滑らない」をキーワードに動画を制作するコラボ企画が決定。横浜市の事業継続・展開支援補助金(販路開拓支援型)を利用し制作した動画は、YouTubeで公開中です。
今後は代理店を募り、防滑シートと短時間施工の防滑塗料「滑らずん」の販売を全国展開する計画です。「コロナ禍以前は、客先に行けば採用だった」と自信を見せる今西社長。コロナ禍が落ち着ち着いた後が楽しみです。
【2022年度支援事例】

成功のポイント

  • 防滑シートの製品化に向けた専門的知識は不足していたが、IDEC横浜ものづくりコーディネーターのサポートにより、製品化に成功。また、その後についても、同製品の企業間マッチング等のサポートを活用した。
  • 吉本興業とのPR動画制作については、IDEC横浜のほか、金融機関や他支援機関の連携サポートを受けて実現。
  • 横浜市の施策などの情報にアンテナを張り、補助金を有効に活用。コロナ禍における経費の削減を図った。

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