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横浜高島屋催事のディスプレイ

販路開拓 製造業
専門家のアドバイスで展示コンセプトやディスプレイプランを作成。百貨店催事の大成功

タオル製造一筋100年 横浜の老舗企業の挑戦
株式会社ナナ【製造業】

こだわり抜いた品質とデザインで根強い人気

横浜に100年以上続くタオルメーカーがあります。ナナ(中区)は、外国から日本にタオルが伝えられて間もない1919(大正8)年、横浜で誕生しました。日本のタオルの歴史とともに歩んできた同社の商品は、国内屈指の名産地・今治市の自社工場で生産され、「nana」ブランドとして全国で販売されています。雑貨店からブティック、インテリアショップなどの店頭のほか、インターネット通販・Amazonでも販売されています。
また、全商品にデザイン意匠登録「nana」を織り込み、知財を経営活用する企業として「横浜知財みらい企業」にも認定されています。
今治市内で生産された「今治タオル」は、高品質な特徴から世界的にも知られていますが、同社がこだわるのは、品質はもちろんのこと、横浜で企画・デザインされたファッション性との融合です。一見すると、タオル生地とは思えない、鮮やかな柄や模様があり、かつ光沢感も出した同社の「ファッションタオル」は現在、主力商品となっています。
その生産も手が込んでいます。日清紡テキスタイル(東京都中央区)が特別配合したオリジナルのコーマ糸を原料に、デザインを美しく見せるための「シャーリング」を施して完成させます。生産過程では不良品の原因となるホコリが付着しないよう、工場内は常にクリーンな状態を保っています。「生産する環境から気をつけないとよいタオルは生まれません」と、結田晃正専務は話します。

オリジナルマスクも開発

一方、タオルの可能性も追求しています。バスタオルやフェイスタオル、ハンカチといった定番品に始まり、タオル生地を使用したバッグ、マット、ベビーローブ、エプロンなど、実に幅広い商品を出しています。すべらかな肌触りが特徴のタオル生地を生かした新商品の開発に余念がありません。
2020年4月にはタオル生地とその縫製技術を生かしたオリジナルマスクを発売。一時は生産が追いつかないほどでした。そして同年9月には横浜高島屋の催事にも出店し、好評を博しました。結田専務は「お客さんの信頼を裏切らないよう、商品を大切に育てていきたいです」と意気込んでいます。【2021年度支援事例】

成功のポイント

  • 展示コンセプトの設定、コンセプトに合った商品の選択、ディスプレイプラン作成を支援したことが百貨店催事の好評につながった。
  • 新製品のマスクについて、インスタでの発信や大手通販サイト活用の具体的アドバイスにより、若い年齢層へのPRを図った。

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