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菊嶋秀生社長と総務の辻彩女さん

経営改善 建設業
専門家のアドバイスを活用して時代に合ったBCPへ

建設業としての「BCP」を実践
株式会社キクシマ【建設業】

時代とともに変わる災害への備え

建物の基礎となり骨組みを支える「鉄骨」。その加工業をキクシマ(港南区)が始めたのは1964(昭和39)年のことです。以来、日本の高度経済成長とともに、自動車メーカー工場向けの鉄骨加工などで急成長を遂げ、やがて建築工事、そしてデザイン住宅建築分野にも参入。今や「総合建設業」として年間約500案件を手掛けています。そんな同社では、災害時にも強い建設会社を目指すため、以前から社内で「BCP委員会」を発足、有事に備えた事業継続計画(BCP)を策定しています。
令和時代に突入してからも、台風や大雨など、自然災害が相次ぐだけでなく、新型コロナウイルス感染拡大という、新たな猛威も出現しました。BCPも時代に合わせて見直す必要が出ています。そこで同社ではIDEC横浜のアドバイスを受け、現在、BCPの改善を進めながら、ブラッシュアップしています。

Zoom活用し安全大会

例えば、建設業であれば必ず開催する安全大会。しかし、コロナ禍で、同業者の多くは3密回避のために断念しているのが実情です。もともと建設業は、いわゆる「一人親方」が多いこともあり、デジタル化によるオンライン開催が難しいとされてきました。しかし、「こういう時こそ事故は起こりやすく、備えが必要になる」(菊嶋秀生社長)と考え、オンライン開催を決意。協力業者の協力を得ながら、Zoomを活用して実施しました。緊急事態宣言が解除されて間もない時期でしたが、100アカウントほどの参加があったそうです。
また、社内の防災訓練にもクラウドシステムを活用。本社と関内オフィス、各現場など、それぞれ離れた場所にいる社員たちが同時刻に行政指定の避難場所に避難。スマホアプリを通じた安否報告や災害被害報告なども行っています。「これからも継続していかなければと思っています」と、担当者の辻彩女さん。同社のBCPは進化を続けています。【2021年度支援事例】

成功のポイント

  • BCPは東日本大震災を契機に作成していたが、読まないマニュアルになっていた。BCP委員会で見直しをする際、IDEC横浜の専門家派遣を利用することにした。CSRに力を入れているため、横浜型地域貢献企業の認定を受けており、IDEC横浜の支援を無料で活用することができた。
  • 「南海トラフ地震」を想定した防災訓練を実施し、実践の中でBCPマニュアルの有効性を検証し、現場の意見を取り入れな
    がら不具合を修正していった。
  • 長野の拠点を活用し、現地の業者と地震の際は、補完しあえるように災害協定の締結に向けて準備を進めている。

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