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イメージング+レーザ照射同軸ユニット。

創業 製造業
学会や展示会への共同出展や助成金申請書の作成支援を受けてステップアップ

ピンポイントフォトニクス株式会社

イメージガイドレーザ照射技術でニッチな領域をカバー

約30年間、大手電機メーカーにおいて、光ディスクや医療機器の研究開発業務に関わっていた木島社長。大企業ではまかないきれないニッチな領域において、培った技術と経験を活用して貢献していきたい、という思いで2018年4月に起業しました。提供する商品は、イメージガイドレーザ照射技術を主要としたもの。これは、観察画像の所定位置にレーザ光を導く技術で、国が力を入れて研究を支援している再生医療分野やがん・免疫細胞研究者などの利用を想定しています。
これまで、レーザ光の照射には大きな機械が必要でしたが、その小型化に成功。広く使われている顕微鏡にそのまま搭載できるイメージング+レーザ照射同軸ユニットを商品として展開し、学会や展示会などで積極的にPR しています。「研究者は、『こういう機器が欲しい』という希望は持っていますが、機器を作る技術はありません。それを、具現化するのが私の仕事。会社員時代には研究開発をしていたのですが、外に出て顧客にヒアリングをし、商品に反映することもありました。研究者に寄り添った営業ができるというのも当社の強みです」と木島社長。現在は、確固たる技術力と営業力で、問い合わせが入ってきています。

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「研究者のニーズが分かるものづくり企業として貢献したい」と木島社長。

IDEC横浜の専門家が補助金や助成金の申請書作成をサポート

IDEC横浜との最初の接点は、IDEC横浜が主催した創業セミナーへの参加。創業年には「横浜ビジネスグランプリ2018」のファイナリストとして登壇し、プレゼンを行いました。そうした中、「倒立蛍光顕微鏡」などを購入する資金が必要となり、助成金などの申請書類の書き方をIDEC横浜の専門家に相談します。「論文はたくさん書いてきましたが、その内容は専門性が高く、専門外の方に伝わる文章をどう書いていいのかが分かりませんでした。実現性やスケジュールを重視した方がいいもの、技術について詳しく書くのが望ましいものなど、補助金、助成金ごとにも書くポイントが違うようで、そのことをアドバイスしてもらえたのも助かりました」と木島社長。「ものづくり補助金」や「(公財)市村清新技術財団 第110回新技術開発助成事業」に採択され、必要経費を調達することができました。ほかにも、IDEC横浜が主催する展示会での共同出展や学会への出席を活用し、事業を広げています。
こうした活動が実を結び、著名な科学雑誌『Science』にも、同社製品が用いられたことが明記された論文が掲載されました。(Nishimura et al., Science 381, 1006-1010(2023))「Science に掲載されたこともあり、弊社の認知度が上がってきています」という木島社長。今後の更なる活躍に期待が膨らみます。

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「横浜ビジネスグランプリ2018」の様子。

成功のポイント

  • 約30年間の研究開発で培った経験と知識が、ニッチな分野で活用できるとひらめいた木島社長の発想力。
  • 顧客ニーズを正しく把握するために、学会などにご自身で足を運ぶ行動力。
  • IDEC横浜の支援メニューをうまく組み合わせて活用した。
  • IDEC横浜の専門家の助言を受けて、申請書類を適切に作成できた。

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