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製造業
高い技術力で様々な分野の ロボット開発をサポート
高い技術と突破力・発想力で様々なロボット開発をサポート
株式会社アサイ・エンジニアリングは、2008 年の創業以来、精密機械・電子部品・建設・自動車・食品・医療・エンターテイメントなど様々な分野のロボット開発に携わっています。大企業や大学・研究機関等からの依頼が多く、実現可能性の検討から企画・設計・開発に至るまで、ロボット開発プロジェクトの全工程をサポートしています。同社の最大の特徴は、顧客ニーズに合わせたロボットをゼロから形にすることができる点です。
代表取締役の浅井伸一氏は、大学の機械工学科を卒業後、大手模型メーカーに就職、ホビーラジコンの設計・開発を手掛けた経歴の持ち主です。ホビーラジコンには、最高時速 100km を超えるスピードと高い操作性が求められます。自動車工学に基づいた高度な技術が詰め込まれており、一般的なラジコンとは一線を画す本格的なマシンです。浅井社長が手掛けたホビーラジコンは、リアルな走行性やカスタマイズ性、初心者からマニアまで楽しめる仕様が評価され、世界的に大ヒットしました。開発過程で培ったサーボモータ等の機械制御に関する社長の知識・経験が、同社のロボット開発技術の基礎となっています。
常に、浅井社長が大切にしているのは「突破力」と「発想力」です。自分の専門分野の知識だけに固執することなく、あらゆる分野に挑戦していく姿勢がロボット開発には必要です。それが「突破力」を生み出す源となり、下支えしている「発想力」が同社の大きな強みとなっています。

新事業である教育事業への挑戦
浅井社長は、公共心が強く、また教えることが得意で、教育者としての一面も持っています。横浜国立大学等で講義を行なっているほか、各ロボット開発プロジェクトにおいて講義形式でのレクチャーも実施しており、好評を博していています。
人前で講義などを行うきっかけは、2016 年、IDEC 横浜が主催するセミナーで講師を引き受けたことです。受講者とともに部品を組み立てながら、ロボットが動く基本原理をレクチャーする実践型の内容でした。
この経験をいかして、新しく二足歩行ロボットの開発等をテーマにした教育事業を立ち上げました。受講者は、ロボット開発の企画作りからプロジェクトの立ち上げ方、プロジェクトの運営方法を学び、経験することができます。単にロボット開発技術を学ぶだけでなく、浅井社長が大切にしている突破力・発想力、ものづくりの心構えなどに重点を置いた内容となっています。もともと浅井社長は、クライアント企業から「どのようにアイデアを発想しているのか教えて欲しい」と頼まれることが多かったのですが、その方法についても見える化し、学べるようにしています。
イノベーションを起こすことができる人材を育てたいと考えている企業は多く、既に大企業数社から社員研修の依頼が来ており、新事業に手応えを感じています。

IDEC 横浜の支援を受けながら経営基盤を整備し、取引を拡大
同社は、もともと浅井社長が一人で運営していましたが、妻である専務取締役の一実氏と、息子である航氏が数年前から経営に参画。経営管理や営業、パートナー企業との調整、事務等は、一実氏と航氏が担当し、浅井社長がロボット開発や教育事業に集中できるように全社一丸となって支えています。
IDEC 横浜の支援を活用するようになったのは、「浅井社長の技術力が、事業に上手くいかせていない」と一実氏が感じたことがきっかけです。IDEC 横浜の経営相談窓口やものづくりコーディネート事業等を利用して、経営基盤固めや新事業展開の重要性について認識するようになりました。
アジア最大規模のオープンイノベーションイベントである、ILS(INNOVATION LEADERS SUMMIT)※に参加するようになったのも、IDEC 横浜からの紹介がきっかけでした。ILS でのマッチングを通して、様々な技術課題を持つ大企業から依頼が来るようになりました。同社は、毎年ILS に参加していますが、年々知名度が向上し、遠隔地からの依頼も増えています。複数のプロジェクトが常に動いている状態になり、同社の取引拡大・売上向上に役立っています。
大企業との取引を開始したことにより、契約関係書類の整備や知的財産権の管理・活用方法の検討、顧客との交渉方法の確立などの必要性を強く感じるようになりました。
この課題に対応するため、横浜知財みらい企業の認定を取得。それがきっかけで IDEC 横浜から推薦を受け、INPIT(独立行政法人工業所有権情報・研修館)が実施する、知財相談窓口を活用して弁護士・弁理士・中小企業診断士など、多分野の専門家と IDEC 横浜のものづくりコーディネーターからなる重点支援チームによる 1 年間の経営基盤固めの支援を受けました。
「当社の仕事は、自社だけで完結するものではなく、先端技術の研究者や、高い技術を持つ市内企業との連携が欠かせません。当社は、いわばハブの役割を果たしており、案件ごとに最適なチームを組んで対応しています。IDEC 横浜には、パートナー企業・研究機関とのネットワーク作りについても協力してもらっていて、大変助かっています。新たに教育事業を立ち上げましたが、フラッグシップになるような事業に育て上げることが、目下の課題です。中長期的には、事業拡大や事業承継に向けて、組織作り・仕組み作りを進めていく必要があります。これらの課題に対応するため、引き続き IDEC 横浜の支援スキームを活用していきたいと思います」と一実氏は語ります。
※ ILS(INNOVATION LEADERS SUMMIT)は国内外の有力ベンチャーキャピタルが注目する世界 27 か国 600 社の最先端テクノロジーを持つスタートアップと業界を先行する大手企業、ベンチャーキャピタルのキーパーソンが登壇・出展する。

成功のポイント
- 顧客のニーズに合わせたロボットをゼロから形にする技術や、企画・設計・開発に至るまで開発プロジェクトの全工程をサポートしていること。
- IDEC横浜の経営相談窓口やものづくりコーディネート事業等を利用して、経営基盤固めや新事業展開に取り組んだ。
- IDEC横浜からパートナー企業や研究機関とのネットワーク作りについても協力を得られた。
