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IDEC横浜のマッチング成功例となったアネスト岩田株式会社のスプレーガン事案。このほかにも、関東経済産業局の「中堅・中小企業とスタートアップの連携による価値創造チャレンジ事業」では3D Printing Corporationと大阪市の成光精密株式会社のマッチングをサポート。

マッチング 卸売業,小売業
IDEC横浜がグローバル企業とのマッチングをアレンジ 3Dプリンティング技術と既存ものづくりの技術の連携を伴走サポート

3Dプリンティング技術のポテンシャルを最大化し、DXを提案
株式会社3D Printing Corporation

3Dプリンティング技術の活用で実現できる イノベーティブな提案とは?

3次元の設計データと3Dプリンターを使い、企業とのアライアンスにおいて課題解決型の提案を実行するのが3DPrinting Corporationだ。金属用プリンターなどの最新機器やシステム開発にも対応する。では、3Dプリンターでどんなことが可能になるのだろうか。「3Dプリンターは、削り出さないので、材料のロスがほとんど出ません。中空構造物が得意で、製品の軽量化に効果的です。それに、欲しい時に欲しいだけ手に入るため、「在庫」を持たずに済むのです。最近の小売業の事例として、ユーザー自身がタブレットで製品データを作れ、製造から納品までできる管理ソフトウエア一式を開発したところ、店頭以外でも販売機会が増えたというケースがありました。また、要望に応じて製品をカスタマイズできるため、これまでにない付加価値が生まれます」取締役CSO(最高戦略責任者)の大江誠氏はこう説明する。「3Dプリンティング技術によるDX実現を通じ、事業変革の機会を提供することが、私たちの使命だと考えています」。

「ものづくり」のインフラ化を担い、お客様の日々の課題を解決するのが願い

様々なお客様からの「こんなものが欲しい、こんなことができないか」に応えている同社。2021年、IDEC横浜からアネスト岩田株式会社(横浜市港北区)を紹介される。アネスト岩田は、コンプレッサーやスプレーガンの製造販売で知られるグローバル企業。「スプレーガンを装置に組み込みたいのでノズルを含む先端部品を軽量な金属で作りたい、とのご要望でした。軽量化するが、機能性は落とさないという点も重要でした」と説明するのは取締役CTO(最高技術責任者)の古賀洋一郎氏。「ノズルを含む先端部分は、複数の部品から構成され複雑な形状をしていましたが、3Dプリンターでは一体化して作れます。 一体化により空気漏れを防いで耐久性を高めつつ、3Dプリンターの利点をいかした複雑形状の設計を提案しました。素材はステンレス製から樹脂製へ変更。その結果、機能性・メンテナンス性を維持したまま、軽量化した製品の開発に成功しました。重量が従来製品の約1/2になり、装置には2個組み込めるようになりました。また、設計情報がデジタル化されているため、今後は必要な時に必要なだけ注文できます。結果的に製造コストを低減できました」。この事例のように課題ヒアリングから提案、設計、加工、納品までのオーダーに対応するほか、「日々の小さな「これ欲しい」への対応も重要です。それには製品を届けるまでの圧倒的なスピードが必要であり、私たちはそのための仕組を構築しています。オンラインで設計、見積り依頼ができ、注文を受ければすぐ完成します。お客様にとっては、ビジネスへの活用の選択肢が増えていると思います」と古賀氏は語る。

(支援事例集2023掲載)

*IDEC横浜が運営する横浜新技術創造館に入居している

成功のポイント

  • 「知力」、「熱意」、「スピード感」を併せ持つ優れた人材が集結していること。
  • 従来の3Dプリンターのイメージを塗り替えるような社会変革型、事業変革型のビジネスモデルを次々と生み出し続けていること。
  • IDEC横浜が運営する横浜新技術創造館に入居し、ものづくり関連の支援事業を中心に伴走型のサポートを受けられること。

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