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かくに茶香の展開するお茶

女性起業家 卸売業,小売業
女性起業家シェアオフィスを利用。専門スタッフから経営、営業、商品開発をアドバイス

さまざまな専門家の支援を力に
かくに茶香【卸売業,小売業】

老舗茶園から新たな日本茶ブランドを提案

日本の家庭で飲まれるお茶。近年は茶葉から淹れるより、ペットボトル飲料を飲む人が増えています。かくに茶香(中区)は、そんな人たちに新感覚の日本茶や、おいしく手軽に楽しめる飲み方を提案する新しい日本茶ブランドです。静岡で90年続く「かくに鈴木茶園」の長女、鈴木香さんが2018年に立ち上げました。
鈴木さんは大学卒業後、独立して仕事も家庭も持ち、家業を継ぐことを考えたことはありませんでした。しかし、実家が廃業の準備を始めたと知り、自分が何とかしたいと起業を決心します。
現在はIDEC横浜の女性起業家専用シェアオフィス「F-SUSよこはま」に事務所を置き、営業や商品開発を進めています。「F-SUSの会員になると、事務所スペースはもちろん、常駐するインキュベーションスタッフから経営、営業、商品開発など、あらゆる分野の支援を受けられます。事務職の経験しかない私にとって、起業には不可欠な存在です」と鈴木さんは語ります。

日本茶にハーブと果物が香る新製品も開発

さっそく2018年に開催された「横浜女性起業家COLLECTION」に 出店して百貨店のバイヤーと接点を作ると、各社の店舗で実演販売を行いました。しかし、思うように売り上げは伸びず、パッケージや茶葉だけで大手ブランドと差別化するのは難しいと実感。反応が良かった抹茶ときび糖のブレンド茶を手がかりに、若者向けの新製品開発を始めます。大手にはないこだわりと物語性を打ち出そうと、土作りからこだわる市内のハーブ園と静岡の果樹農家に協力もとりつけました。
新商品は煎茶ベースとほうじ茶ベースの計5種類。香料は使わず、農家さんにハーブやフルーツを乾燥させた状態で出荷してもらい、茶葉とブレンドしました。ティーパックで手軽に飲める形にして販売したところ、手応えを感じたといいます。「ここまで来たら、実店舗を持てるところまで頑張ろうと覚悟を決めました」。ホームページのリニューアルやオンラインショップの準備など、鈴木さんの忙しい日々は続きます。【2021年度支援事例】

成功のポイント

  • 起業前に営業未経験ながら積極的に営業活動を行ったことで市内有名洋菓子店への抹茶の卸売など新規顧客獲得に結びついた。
  • 新商品開発にあたっては、専門家のアドバイスを受けパッケージやデザインだけでなく、農家を応援するというストーリー性を持たせたことで顧客の共感を生んだ。

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