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理科実験教室の様子

経営改善 教育,学習支援業
IDEC横浜の経営コンサルティングメニューを活用 コロナ禍でありながら過去最高益を達成

子どものための体験型自然科学教室「キッズアース」を運営
株式会社 NSC

理想の学びの場作り 4〜5年で最初の危機がやって来る

「キッズアース」は幼児・小学生が対象の“理科実験教室”。NSC代表取締役の小泉力氏が2007年にスタートさせた。もともと学習塾の先生を務めていた小泉氏。ある時、理科実験のクラスを実施したところ、受け身ではなく楽しみながら積極的に学ぶ子どもたちの姿があった。これが本当の思考力を育てる学習法だと考え、理科実験に特化した塾を開く。70分の授業時間のうち、50分は実験、最後の20分は「ノートまとめ」の時間。実験の結果について感想をまとめさせ、高学年になれば考察をさせる。この考えてまとめる力
が他の教科にも良い影響を与え、結果的に志望校への進学にもつながったと感謝されることもあるという。だが、運営がずっと順調だったわけではなかった。
「スタートして4年目頃です。生徒が減るなど色々なことがあり、経営が危うくなりました」。
もともとIDEC横浜が主催するセミナーに参加したことをきっかけに、経営相談窓口を活用していた。経営危機に陥った当時も、継続的な相談で対策を実行に移し、何とか乗り切った。

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野外教室の様子。問い合わせが増えている教室だそうだ。

コロナ禍に理科実験教室の需要を再認識 IDEC横浜の中期経営計画策定支援を受け過去最高益

2020年になると新型コロナウイルスの感染が拡大。緊急事態宣言が発令され、「キッズアース」も2か月間休校することになった。 「ある生徒から、辞めたいとの連絡がありました。この時はショックでした」
退校の連絡が続くかもしれないとの危機感を抱き、教室は休校にするがつながりは持ち続けようと動いた。「算数のクラスで通信教室を始めました。そのうち生徒から我々へ励ましの手紙が届いたのです。こちらからもお返事の手紙を書きました」。 休校の1か月後には、オンラインで理科実験教室を開催。7月にはオンラインとリアルの併用で授業再開。2021年1月の説明会には多数の方が参加し、待っていてくれたということを実感した。
2021年度からは事業を加速させようと、改めてIDEC横浜の経営コンサルティング事業を利用。現状分析、経営理念、3年後のあるべき姿、売上目標等を書き出し、3か年の中期経営計画を策定し、実行した。対応すべき課題の優先順位をつけて、専門家が計画実行まで支援したことで、2021年度は感染拡大前よりも売上は向上。それまでの赤字決算から回復させ、過去最高益を達成した。
現在の最優先課題は人材の採用と育成。「先生は事業の柱です。今年、素晴らしい社員を確保しました」と小泉氏。2023年春からは、自然科学教室を中心に、野外教室、大人向けフィールドワーク教室などを増やし、自然教育事業分野での飛躍を目指している。

(支援事例集2023掲載)

成功のポイント

  • IDEC横浜では豊富な専門家が登録されており、塾業界出身の専門家が適切にヒアリング・助言したため社長の思いを可視化できた。
  • 同社が求める人材像の具体化、そのような人材が入社したい条件や環境づくりといった地道な検討が、優秀な人材の採用につながった。
  • 広告宣伝において、時代にあった取組内容と予算の使い方を効果検証したことで、入会者数の増加・優秀人材の採用につながった。

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