私の開発案件:その2 心拍計 EXATACHO
横浜医工連携プロジェクト アドバイザー
森尾 康二
2017年2月27日(月)
私が手掛けてきています医療技術開発の中で、前回は鋼製小物の個体認識技術の開発について、現状を報告させて頂きました。今回はその第2弾として心拍計について報告します。
(2)心拍計“EXATACHO”:24H×365日モニター
私達の日常生活の中で、健康な身体と精神を維持して更に高めてゆくために
- 運動をしましょう
- 栄養バランスに気をつけましょう
- 十分な睡眠をとりましょう
- ストレスはほどほどに
- たばこやアルコールもほどほどに・・・
等の処方箋が用意されています。この全てを処方箋通りに実行する事はまず無理です。これらの中でとりわけ重要なのは「運動」です。十分な、そして少し十分を越える程度の運動を続けていれば、栄養も、睡眠も、ストレスも、この運動によって十分に相殺することが出来ます。
しかし運動の程度を測定し、評価する手段が十分に備わっていません。万歩計や活動量計は一つの指標として有効でしょうが、これらは身体に対する負荷を正確に表現している訳ではありません。身体への負荷、すなわち心臓・肺臓を主体とする身体全体への負荷は「心拍(※)」によって、より正確に表現されていて、心拍数によって身体への負荷を評価することが出来ます。
(※心拍は心電信号におけるR-R間隔によって計測されます。心電信号に基づくもの以外は「脈拍」と呼ばれます。)
もし心拍(脈拍でも可)を24時間×365日、ある程度正確に計測して、データを蓄積・分析できるシステムを簡便に利用することが出来れば、一人一人の人の運動負荷が評価でき、主治医の助けを借りて健康の維持・増進を図ることが出来ます。仮定の名称としてEXERCISE TACHOMETER(略してEXERTACHO)と名付けて開発を呼び掛けてきました。脈拍計としてリストバンドタイプの脈拍計が市販されています。又シャツタイプの心拍計もいくつか開発の途上にあります。先日開かれたウエアラブル展ではシャツタイプの心拍計が沢山展示されていました。こうした技術開発が進む一方で、社会に便益を提供してゆくためのビジネスモデルの開発が遅れています。産業医の協力を得て一人一人の人の運動負荷を評価し、これに基づいて運動メニューを作成し、実行してもらうというビジネスモデルを開発してゆきたいと思っています。
今回もご愛読を有難うございます。皆様からのご意見、ご質問をお待ちしています。