心血管インターベンション治療学会でのものづくり企画

横浜医工連携プロジェクト アドバイザー
森尾 康二

2016年8月25日(木)

先月7月7日―9日の3日間、有楽町の国際フォーラムにて心血管インターベンション治療学会(通称:CVIT)が開催されました。私が所属しています 一般社団法人 日本医工ものづくりコモンズは大会長の中村正人先生のご要望に応えて「ものづくり企画」として血管内治療分野に利用できる技術を持つ企業15社に参加してもらい展示を行うと同時に自社技術のプレゼンも併せて行って頂きました。横浜からは(株)アルファーテック、(株)イムテックスメディカル、(株)JMC、日鉄住金SGワイヤ(株)の4社に参加して頂きました。

ものづくり企業は医療機器メーカーからの引き合いに応える形で自社の技術・商品を提示するのが通常で、直接に臨床医と接触・対話する機会はまずありません。我々も直接の接触・対話が機能するものかどうか危惧していましたが、蓋を開けてみると、ものづくり企業の業に興味を持って頂ける臨床医の方々が少なからず居られましたし、又ものづくり企業の側も臨床医の方々により理解して頂ける様に医療に応用可能な技術に絞って展示・プレゼンをするなどの努力が見られました。

今回の催しには副次的な効果もありました。参加頂いたものづくり企業は素材、加工、検査等バラエティーに富んだ15社でしたので3日間を通して親密に交流を頂いて今後協力関係を築いてゆくきっかけになったのではと思っています。又同時に開催された一般展示(医療機器メーカーの展示)を見学して貰ったり、逆に医療機器メーカーがものづくり企業の展示を見に来たりといった交流がありました。

更にもう一つ「技術相談」という催しをご紹介します。これは前以て臨床医の方々から興味・関心のあるものづくり企業を指名してもらって当日臨床医の投げかけるテーマについて話し合いを持ちました。「もっと先端の柔らかいカテーテルチューブを欲しいと医療機器メーカーに要望しても、メーカーの中枢にいる企画・開発部門には届かない」との問題点が指摘されました。ものづくり企業からすれば要望を直接に聞ければ解決できない問題ではない、是非とも対話を続けたいとの回答がありました。臨床医の満足のゆく製品が出来れば臨床医から医療機器メーカーに提案するという方法も考えられます。

臨床医とものづくり企業は遠く離れている様でもお互いに相手を慮りながらアプローチすれば通じることを実感しました。医工連携の本質を見せて頂いた感じがしました。

以上

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