
横浜市立大学医学部でのニーズ探索
横浜医工連携プロジェクト アドバイザー
森尾 康二
2017年8月25日(金)
横浜医工連携活動はスタートしてから10年近くになります。この間様々な形で活動をしてきましたが、医工連携活動の一端であるシーズ探索、すなわち企業や研究所の持っている優れた技術の探索に重点が置かれていて、臨床現場から発生するニーズの探索は、その難しさもあって少し脇に置かれてきました。
公立大学法人横浜市立大学(以下:「市大」)と公益財団法人横浜企業経営支援財団(以下:「IDEC横浜」)は、平成26年度に包括連携協定を締結しております。この枠組みの中には医工連携の取組についても記載があり、これを基に我々は市大のニーズ探索の具体化を検討してきました。
この結果として、今年度7月より市大の医学部と病院を中心に「機器開発相談」を始めるに至りました。今回は、複数の診療科の開発意欲の高い先生方より、ニーズ情報を頂きました。
今回得られたニーズ情報を我々の中で一旦事業性等を評価・検討したうえで、横浜医療機器ビジネス研究会のメンバーを中心とした関係企業に情報提供を行い、マッチングを試みています。ヒアリングを通して多くを学ぶ事が出来、これらを今後のマッチングと商品化を目指した開発に生かしてゆきたいと思っています。
今回の先生方のヒアリングで感じたことは、
- 開発意欲の高い先生は新しい手技とその開発プロセスを既にイメージされておられます。是非とも共同開発を進めさせて欲しい。
- 開発意欲はお持ちだが、何をどの様に、そしてどこに相談すれば良いのかを迷っておられる。我々がその受け皿になり、開発プロセスを共有させて頂いて進めてゆきたい。
- 頂いたいくつかのニーズの中には既に商品化されて市販されているものもあった。こうした情報提供もお役に立てるものと思う。
- 医工連携活動を通じて新しい器具・装置を開発してゆく事が出来るという意識を数多くの臨床医の方々に先ず知って頂く事が肝要。
このニーズ探索活動はまだ始まったばかりで、すぐに成果が出てくるのは難しいかもしれませんが、臨床医の方々に意識を持って頂くことで開発の機会を増やしてゆきたいと考えています。