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外出規制を解除し新たなフェーズへ
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海外現地レポート

 フランス「外出規制を解除し新たなフェーズへ」

  •  5月11日フランスの外出規制が解除されました。マクロン大統領が規制を発表した3月16日から 約2か月。コロナウイルスとの戦いは新たなフェーズに入ったと言えます。 フランス政府が示した解除後の具体策についてリポートします。

    -移動について
     自宅から100キロ圏内の外出が自由となります。(居住県内であれば、100キロ超の移動も可) 100キロを超える移動は、運送業従事者や介護などの特別な家族の事情を持つ人に限られ、 申請書の提示が必要となります。違反者には135ユーロの罰金が課せられます。 -交通機関について パリおよび近郊の地下鉄やバスは通常ダイヤの概ね75%運行。(地下鉄駅302駅中60駅閉鎖中) 地方鉄道は50~60%、TGV(高速鉄道)は20~30%(5月末には40%)を予定。

    -オフィス業務について
     テレワーク実施が可能な会社については、引き続き3週間の継続を要請。 5月18日の週は通常時の10%、翌週20%の出勤を目標に段階的に解除の方針。 一般的なオフィスでの衛生規定として、従業員一人当たり4?以上のスペースを確保し、従業員 間1m以上の距離を保つ。(スペース確保が難しい場合、マスク着用を義務化) 同時に、会社側が従業員に対して感染検査を要求することや、従業員の許可なしに検温すること はできないものとしています。

    -商業施設の再開について
     飲食店以外の店舗は、5月11日から営業再開が許可されています。 カフェ、レストランの営業については、5月末に6月2日からの再開について決定の方針です。

    -国境閉鎖の状況
     EU圏内の国境閉鎖を継続し、夏以降の継続も検討中。 シャルル・ド・ゴール空港はターミナル2E、2F、2Aのみ稼働。オルリー空港は3月31日から閉鎖中。 エールフランスのみが、パリとマルセイユ/ニース/トゥールーズを結ぶ国内便と、貨物便、海外に いるフランス人の帰国便運行を行なっています。 Eurocontrolの統計によると、2020年4月の運行は前年同月比91%減。 Air France-KLMの代表Ben Smith氏は、今後6月=80%減、7月=60%減、8月=40%減と予想しています。

     外出制限は解除されたものの、フランス国会は7月10日まで緊急事態の延期を決定しています。 (政府は7月24日までの延期を提案)ビジネスを支える「人の移動」に実質的な制限があるため、 本格的な経済活動の再開までは時間がかかることが予測されます。 フランスをはじめとしたユーロ圏企業と関係をもつ日本企業は、引き続き現地からの正確な 最新情報を収集しながら、動向を注意深く見守っていただく必要があるかと思います。

    フランスサポートデスク
    (株式会社ファナフランス 蛭田智晴)
    2020年5月


公開日時
2020年5月18日(月)