

ファイナルステージレポート
Stage Report2024.02.02



2024 年2 月2 日(金)に横浜市中区の情文ホール(横浜市中区日本大通11)で「横浜ビジネスグランプリ2024 ~YOXO アワード~THE FINAL」が開催されました。
公益財団法人 横浜企業経営支援財団が主催し、横浜市経済局が共催している「横浜ビジネスグランプリ~YOXO アワード~」は、横浜市での起業や新規事業展開に挑戦するビジネスプランを募集し、その後の起業・事業拡大を支援することを目的に平成15 年度から実施されており、今回で26回目の開催を迎えました。
当日、ステージに立ったのは、全69件の応募の中から、書類審査及びプレゼンテーション審査を通過した10名のファイナリストの方々です。
審査員を務めたのは、審査員長の吉原 直樹氏(株式会社アルテサロンホールディングス 会長)をはじめとする実業家や有識者6名です。
また今回は、2020以来、協賛賞も復活となり、金融機関やシェアオフィスなど全15の協賛企業による協賛賞の発表が表彰式に先立ち行われました。協賛賞一覧は下記のとおりです。


なお、本イベント終了後に、ファイナリスト、審査員、協賛企業、オーディエンスによる交流会を開催し、ファイナリストからのひとこと事業PRタイムなどもあり、盛況で幕を閉じました。
横浜ビジネスグランプリ2024 受賞者一覧
Winner


子供専用相乗りタクシー
配車アプリの提供
hab株式会社豊田 洋平 氏
最優秀賞コメント
発表されたベンチャーの皆様は本当に素晴らしい事業だったので、僅差で運良く最優秀賞をいただいたのではないかと思います。モチベーションもいただきました。これからも共に成長していきたいと思います。引き続きのご支援、ご指導を宜しくお願いします。今日はありがとうございました。
オーディエンス賞コメント
子供の送迎に困っている方々から投票されたのかなと思っています。この賞を励みにまた今日からしっかり安全に送迎していきたいです。更に今、送迎にお困りの方にサービスを拡げていきたいと思っております。
プレゼンテーション内容抜粋
子供の習い事の送迎を行う為、仕事を辞め、キャリアを捨てる親御さんや送迎ができずに、子供が習い事を諦めざるを得ないケースがある。そこで、子供専用の相乗りタクシー配車アプリ「hab」を開発した。対象顧客はhab会員の小学生。予約、決済、運行状況の確認などは全てスマホ1つで完結する。将来的には当社が幹事企業となり、子供の移動に関する課題をオール神奈川で解決できるコンソーシアムを設立したい。
神奈川県内小学生のうち14万人を潜在顧客と設定し、2026年までに総額135億円の「子ども公共交通市場」を創出する。



チャレンジャーアシスタントサービス
「TIMEWELL」
株式会社TIMEWELL濱本 隆太 氏
受賞者コメント
トップバッターで非常に緊張しました。皆さんの前で発表できて良かったと思います。言葉に出して言わないと始まらないと常に思っています。横浜から世界ナンバーワンの企業を作ることを体現したいと思っています。最優秀賞が取れず残念でしたが、優秀賞をいただき嬉しいです。ありがとうございました。
プレゼンテーション内容抜粋
日常業務の中には不得意なことや自分でなくてもできることなどアウトソーシングできる業務が多くある。アウトソーシングをするには、業務依頼側と業務を請負う供給側の双方に課題がある。依頼側の課題は、何をどのようにアウトソーシングしたら良いか分からない。一方、供給側の課題としては、業務委託のアウトプットの品質を保つ必要がある。この双方の課題を解決するソリューションとして、業務内容の因数分解をサポート(依頼側)し、100人以上のプロアシスタントを駆使して業務代行をする。更に、これらの「業務分解」と「代行」を行う独自のAIエンジンを開発し、超効率化したTIMEWELLウェブβ番をリリースした。現時点での実績は、7か月で6,000万円の受注を獲得、10年後には1,000億円、20年後には1兆円の売上を目標に、ここ横浜から世界No.1の挑戦インフラ企業を目指す。

分散入力システムを活かした
障がい者が活躍する地域社会の創造
イマジネーション株式会社髙橋 秀章 氏
受賞者コメント
本日はお聴きいただきありがとうございました。雇用は一人一人一つ一つでしか実現できない形ではありますが、その事例一つ一つが地域社会を変えると思っております。出口は我々だけではなく協賛される企業や関係する事業者の皆さんが受け皿となっていると思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。
プレゼンテーション内容抜粋
一般の民間企業の障がい者の法定雇用率は2.3%であるのに対し、当社は20%を達成している。創業以来、健常者・障がい者・高齢者を問わず共に働く環境を創造している。その一環で、IT技術と障がい者雇用の実績経験によるノウハウをいかし、さらなる障がい者雇用を創造するため、分散入力システムを開発した。 顧客から受け取った手書き原稿を、システムサーバーで個人情報を特定できないレベルまで細かく分割する。分散化したデータをスタッフが各端末で複数回入力し照合作業を行う。各データを集約・管理し、顧客指定の仕様に基づき納品を行う。 分散入力システムにより、未就労の障がい者に働く選択肢を提供することで、多種多様な就労を実現し、共に活躍できる地域社会創造の一助となるように努めていく。
ファイナリスト一覧
Finalist

パワーデバイスの開発をめざす

株式会社 VISION IV
小関 智昭 氏
高価な天然ダイヤモンドに比較してラボグロウン(合成)ダイヤモンドは同品質で約7分の1の価格帯である。ダイヤモンドは、エネルギー効率がシリコンの8万分の1の電気損失量で、熱伝導率は銅の5倍であり、半導体への利用に適している。ダイヤモンドの半導体への利用として大量の電力制御を可能にするパワー半導体は、今後石油や天然ガスが枯渇するとされる50年後のエネルギー課題への解決策となる。CPUに使用される半導体とは異なり、パワー半導体は筋肉にも例えられ大量電力に対応する。
ラボグロウンダイヤモンドの開発は、結晶成長技術により可能であり、この技術によりダイヤモンドの種結晶を使用したダイヤモンド電極の開発に成功した。次の段階として医療・原子力・宇宙向けの耐放射線性(小型)ダイヤモンドウエハの開発をしている。更に、発電・通信などへの利用としてのパワー半導体グレードウエハ(4インチ)の開発を目指す。

"Insaight"

whyme 株式会社
鈴木 隆之 氏
事業者の経営課題を明確化し、コンサル依頼案件を定義し、手戻りなく成長・改革にスピーディーに着手できるプレ・コンサルティングサービスを事業展開する。本事業のポイントは、生成AI技術を活用し、プレ・コンサルティングを行うところにある。
事業規模としては、国内約15,000億円のうち、プレ・コンサルティングとして100億円規模の市場を創造する。中堅中小企業を支援する新しい枠組みとしてのプレ・コンサルティングサービスを通じ、クライアントの感動を超えるコンサルティング体験を創っていきたい。

プロ向け走りコンサル

株式会社いいんじゃ
渡邉 勇輝 氏
「科学的なカリキュラム」で走り専門の指導を行ってきた。タイム、身長ごとの身体能力データベースを構築し、個人に合わせて適切なKPI(重要指標)ロードマップを引くことができる。
これまでの科学的なカリキュラムにAI技術を加え、精度とスケール性を克服した世界で最も再現性の高い、”走力向上サービス”を目指す。走りのAI診断システムと走りのKPIを見える化するBIツールを活用したデータドリブンな走り専門のコンサルティングをプロ向けに展開する。
2026年までにサッカーと野球のプロ2チームに効果実証する。
横浜でスポーツ教育的側面での社会貢献とプロスポーツチームへの貢献に取り組む。

経営改善支援

ご近所マーケティング
株式会社
泉 裕幸 氏
小規模店舗において売上を上げ続けるためには、新規客を集めリピート率を上げることが大切な要素である。一般的なWebマーケティングとは異なり、ご近所マーケティングは、お客様の55%は来店時間が5分以内と考え、対象エリアを半径350m圏内と設定している。ご近所マーケティングには、3つのポイントがある。①自店の立地を理解すること②ご近所のお客様を理解すること③ご近所に商品・サービスを効果的に告知すること。
ご近所からの安定的な集客を実現し、店舗の経営が安定化することで地域の活性化に繋がることを目指す。

コンブで“GOOD”を
リレーする

富本 龍徳 氏
海が温暖化による水温上昇により、陸の砂漠化にあたる磯焼けが起きている。
海を海藻が無い状態で放置すると、魚のすみかが失われ、酸素の供給減も無くなり、海が死に、海自体がごみ化する。
そこで、海の環境にやさしい環境再生型漁業としてコンブ養殖を始める。コンブが成長過程のプランクトンや小魚のすみかとなり、リン・窒素を栄養源にバランスを保ち、森林の約5倍のCO2吸収量となる。
不漁のワカメをコンブに代えて、カキ・ムール貝などの複合養殖により単位面積あたりの効率化を図り3~5倍の収入増を見込める。
また別の取組として、子持ち昆布シェア日本一のメーカーとタッグを組み、人工の子持ちコンブの商品化や、「コンブ湯で昆活」として東京や神奈川の銭湯とのコラボも実施した。
コンブ養殖により水産と福祉の連携、ミライへの種まきを広めていく。

国内初!ダンス特化型の
ブランディング会社

C. Entertainment
北見 優衣 氏
事業は高校生が対象の教育事業、地域の小中学生からシニア層までが対象の地域振興型のコミュニティ事業、企業がターゲットになるDAN RUPT4の事業の3つである。
DAN RUPT4は、Danceと今までの概念を覆すという意味を込めたDisruptを組み合わせたDAN RUPTに人の為というFOR=4を組み合わせた造語である。DAN RUPT4の事業を通じ、ダンスで企業活動と魅力を最大化する。ダンスに特化した交流機会創出やPR戦略で企業の生産性向上を支援する。ダンスを手段として、ブランド戦略の立案・施策、デザイン作成、キャスティングなどを通じ企業内の課題を解決する。

国産材を使ったD2Cライフスタイル
ブランド事業

株式会社 myaku
山本 万優 氏
樹齢300年の木曽ひのきを使った「天然ひのきキャンドル」をリリースした。直接産地と契約するトレーサビリティが高いD2C販売のビジネスモデルを採用している。天然の木を使ったフレグランスというポジショニングで、日本のブランドとして商品を展開し日用品EC市場へ拡大する。また、「手触り感のあるサステナブル製品」のブランドストーリーでファンを作る。2033年には、木材製品や商品を買う際に日本の生産者や生産地で選ぶことが当たり前になることをゴールとしてビジネスを展開する。
横浜ビジネスグランプリ2024 協賛賞一覧
Sponsorship Award
協賛企業 | 協賛賞名 | 受賞者 |
---|---|---|
横浜銀行 | 横浜銀行・浜銀総研賞 | 株式会社VISION Ⅳ 小関智昭氏 |
神奈川銀行 | 神奈川銀行賞 | イマジネーション株式会社 髙橋秀章氏 |
きらぼし銀行 | きらぼし銀行賞 | hab株式会社 豊田洋平氏 |
横浜信用金庫 | よこしん賞 | ご近所マーケティング株式会社 泉裕幸氏 |
かながわ信用金庫 | かながわ信用金庫賞 | 株式会社myaku 山本万優氏 |
川崎信用金庫 | かわしん賞 | hab株式会社 豊田洋平氏 |
湘南信用金庫 | 湘南しんきん賞 | イマジネーション株式会社 髙橋秀章氏 |
城南信用金庫 | よい仕事おこし賞 | イマジネーション株式会社 髙橋秀章氏 |
横浜市信用保証協会 | ハマ福賞 | ご近所マーケティング株式会社 泉裕幸氏 |
株式会社アイ・エス・オー | I.S.O横浜賞 |
株式会社TIMEWELL 濱本隆太氏 whyme株式会社 鈴木隆之氏 C.Entertainment 北見優衣氏 富本龍徳氏 |
ウィズスクエア横浜 | ウィズスクエア横浜賞 | プレゼンター全員 |
オフィスVIT横浜 | オフィスVIT横浜賞 | プレゼンター全員 |
G Innovation Hub Yokohama |
関内で一緒に働こう賞 | 株式会社いいんじゃ 渡邉勇輝氏 |
株式会社ブルーコンパス | ブルーコンパス賞 | C.Entertainment 北見優衣氏 |
一般社団法人 神奈川県情報サービス産業協会 |
神情協賞 | イマジネーション株式会社 髙橋秀章氏 |
ファイナル審査員
Final Judge
審査員紹介
審査員長を始めとする6人の実業家および有識者からの応援コメント

吉原 直樹 氏
株式会社アルテサロンホールディングス 代表取締役会長
【審査員コメント】
ここ数年審査員長をさせていただいておりますが毎年レベルアップしています。起業家の規模、内容、発表全てレベルアップしていて大変嬉しいです。発表の評価の元になったのは今実現していること、社会性、必要性です。このグランプリが何のためにあるのか、横浜に素晴らしい企業を生むためにあります。そのためには実績が必要です。これから皆様に期待するのは、しっかり実績を出し横浜に税金を払うことだと思います。最近のベンチャーの方々で以前とは変わったと思うのは、企業規模についてです。かつては控えめに言うことが奥ゆかしいといった風潮がありましたが起業家はそうではありません。企業規模を追う必要があります。その意味で今回1兆円と言及された方もいましたので、良いと思います。本日は皆様、お疲れさまでした。ありがとうございました。

呉 雅俊 氏
株式会社TNPパートナーズ
代表取締役社長
【審査員コメント】
オーディエンスの皆さんがいらっしゃったこともあり、セミファイナルよりファイナルの方が何倍も元気良くブラッシュアップされた発表をされていました。プランだけではなく実践されていて将来まで見ている姿を感じました。ビジネスはプランではなく実績が大事なので、今のお気持ちを忘れずもっともっとブラッシュアップしていただきたいと思います。お疲れさまでした。

横山 周史 氏
株式会社リプロセル
代表取締役社長
【審査員コメント】
新しい事業を始める方々は非常に勢いがあり希望が持てます。こちらも元気づけられます。このような機会が益々増えれば良いと思います。発表者の皆様が今後とも頑張って横浜を、日本を引っ張っていただききたいと思います。本日はありがとうございました。

岡田 恵実 氏
流通科学大学 商学部経営学科
専任講師
【審査員コメント】
ファイナルの発表者の方々が課題の設定のしかたがクリアで、それに対するソリューションも的確にされているという印象がありました。これをきっかけにそれをビジネスとして巻き込む力が問われると思います。巻き込む力のポテンシャルは皆さんあることは間違いないので、ビジネスとして周りを巻き込んでパワーアップされることを楽しみにしています。本日はお疲れさまでした。

高橋 佑至 氏
株式会社ネットフォレスト
代表取締役
【審査員コメント】
ビジネスは何をするかも大切ですが誰がするのかも大切です。運は生まれ持った性格とかでは決してなく、見えない力をコントロールする、それには母、父、祖父からの教えを守る、当たり前のことを当たり前にする。約束を守る、時間を守る、人を大切にする、人を裏切らない。日々積み重ねていき、いつしか、いかされているなと気づかされます。運も実力のうちとよく言われますが、運こそ実力だと思っています。ビジネスモデルも大切ですが、こういったことを大切にして皆さんがより末永くご活躍されることを願っています。本日はありがとうございました。

大木 学 氏
日本政策金融公庫 横浜支店
国民生活事業統轄
【審査員コメント】
初めて審査員として参加しています。2か月前のセミファイナルと比べて大変進歩しています。ということはこれから半年や1年経って事業も大変進歩していると期待しています。皆さん、ありがとうございました。
お問合わせ
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