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横浜ビジネスグランプリ2017 ファイナリスト&受賞者

最優秀賞

チトセロボティクス代表 西田 亮介氏
http://chitose-robotics.com/

プレゼン内容

「最短3分で利用できるロボットのクラウドマネジメントサービス」

製造業におけるコスト低減や、 さまざまな業種業界における人手不足の解決策として産業用ロボットが注目されているが、 思ったほど普及が進んでいない。

その大きな理由は、産業用ロボットは高価で納期が長いこと。 ロボットの作業1つひとつについて、専任の技術者がプログラミングを行う必要があり、その作業に2カ月はかかる。 プログラミングに要する人件費が高いことも導入のネックになっていた。

だが、人はプログラムなしで針の穴に糸を通したり、部品を組み立てたり、さまざま加工を行うことができる。 そこに注目した西田氏らは、人がモノを目で見て脳で考え、手を動かすといった神経伝達系を数式化し、 アルゴリズムをロボットに実装できる特許を世界で初めて取得。 産業用ロボットのプログラミングに要する時間を3分程度に短縮し、素人でも扱えるようにした。

機器の立ち上がりが早く、専門技術者が不要で低コストというメリットを活かし、 同社は「置いたらすぐに使えるロボットの派遣サービス」を開始した。 これまで設備として購入する必要があったロボットを、1台月額14万円(初期費用不要)でレンタルし、 初心者でもWebブラウザから簡単にロボットに作業を指示できるイクラウドマネジメントサービスも提供。 ロボットが1日12時間、1カ月に20日間働いたと仮定すると、時給398円と圧倒的なコスト競争力を持つようになる。

「お客様のビジネスに、無限の労働力を、ロボットという形で提供していきます」と西田氏はいう。 同社はもちろん、現在契約を結んでいる大手企業の多くが横浜市に事業所を置いている。 このロボット技術を用いることで「横浜は世界の製造業の中心地になることができるのです」と西田氏は訴えた。

質疑応答

類似のサービスを提供している企業はありますか?

ロボット業界にはロボットメーカー、われわれのようなシステムインテグレーター、 カメラを製造しているセットアップメーカー、ロボットのユーザーという4つのプレーヤーが存在します。 ところがシステムインテグレーターは、ロボットのプログラミング作業を行う専門の技術者を派遣していることが多く、 これをソフトウェアに置き換えようとしている当社と同じようなサービスを行っているところはありません。

受賞コメント

受賞の感想を聞かせて下さい。

賞を取れたとか取れなかったということも大切ですが、(一般の方にとっては難解なロボットについて皆さんが)耳を傾け、 理解しようと努めて下さったことが、個人的にはとても嬉しいです。

横浜ビジネスグランプリに挑戦した理由は?

当社のエンジニアは年齢が若く、女性がほとんど。 自治体がオーソライズしている、こうしたビジネスコンテストで認めていただいたということが、 自分たちの仕事に対する家族の理解を得るためにも、大きく役立っていると思います。

優秀賞(一般部門)
オーディエンス賞

株式会社ペットボードヘルスケア CEO 堀 宏治氏
http://petboard.co.jp/

プレゼン内容

「横浜ワンニャン健康クラブ」

「横浜の飼い主は、ペットの医療費に悩んでいます」と、堀氏はプレゼンの冒頭で訴えた。 堀氏によれば、ペットフード協会が行ったアンケートで、 飼い主が「あったらいいな」と思うサービスのトップが「外出中のペットの世話」で、 第2位が「ペット保険料の軽減」だったという。 こうした問題を解決するサービスが、同社の「横浜ワンニャン健康クラブ」だ。

「ペットの医療費問題の解決にはペットヘルスケアが重要」というのが堀氏の持論。 ペットヘルスケアには、適切な食生活を送ること、定期的に健康チェックをすること、万一に備えてペット保険に加入すること、 という3つのポイントがあり、同サービスはこれらを同時に解決することを目的にしている。

具体的には、ペットの健康寿命を延ばす会員制の「スマートヘルスケアサービス」を実施。 スマートフォン経由で、いつでもどこからでもペットの世話ができるIoTデバイス(Webカメラ付きの自動給餌器)と 食事管理アプリを月額500円で提供。 国内で唯一有機認証されたオーガニックペットフードも販売し、飼い主の健康志向に応える。

また、ペットケアスキルを身につけた動物看護師が飼い主の自宅を訪問し、 留守中のペットの世話や健康チェックを行う「ペットケアシッターサービス」も実施。 さらに、既存のペット保険の掛け金の約10分の1である月額300円を積み立てることで、 ペットが手術や入院をした場合、10万円の見舞金が支払われる一方、 ペットが1年間健康であればポイントバックを行う独自のシステムも設ける。

堀氏はプレゼンの中で愛犬のチョコとの思い出に触れ、「チョコは昨年8月7日、17歳で天国に旅立ちました。 チョコは私たち家族を幸せにしてくれました。 今度は私がペットたちを幸せにする番です」と、事業に賭ける思いを新たにした。

質疑応答

この事業をどこまで伸ばしていきたいと思いますか?

世界中のペットにサービスを提供したいですね。 私はずっと横浜市で暮らしていますが、横浜には約36万頭の犬猫がいますので、 まずは横浜の地から、ペットを幸せにしたいと考えています。

受賞コメント

一般部門優秀賞とオーディエンス賞をダブル受賞されました。

優秀賞はもちろん嬉しいですが、私たちは一般のコンシューマーを対象にした事業を行っているので、 今回オーディエンス賞をいただいたことで、スタッフが非常に喜んでいます。 会場にもペットを飼っている方がたくさんいたのではないかと思いますが、 そういう人たちが待ち望んでいたサービスではないかと確信しています。

横浜で事業を行う理由は?

私自身、横浜育ちなのですが、横浜にはペットが好きな人が多いのではないかと思います。 実際、横浜市の動物愛護センターは日本一立派な施設。 こういう横浜の地でペットに向けたサービスを提供すれば、多くの人に喜んでもらえると考えました。 その意味で(今回の受賞は)大きな勲章ですね。

優秀賞(学生部門)

駒澤大学 志賀 里紗子氏

プレゼン内容

「受験生の救世主“iLock”」

いまや中高生のスマートフォン所有率は8割超といわれる時代。 志賀氏が523人の学生にアンケートを行ったところ、「使いたくないのについついスマートフォンをいじってしまう」と答えた人が9割に及び、 勉強に影響が出ていることが明らかになった。 こうした「スマホ中毒」は勉強時間の長い受験生にとってまさに大敵だ。

ところがスマートフォンは、リスニングの練習が手軽に行えたり、動画でわかりやすい解説が無料で見られる、 勉強用のサポートアプリも充実しているなど、受験生にとってメリットが大きいのも事実。 そこで「スマートフォンを完全にシャットアウトするのではなく、 人とスマートフォンをちょうどいい関係にするサービスが求められているのではないか」と考えた志賀氏は、 スマートフォンロックサービス「iLock」を考案。 製品開発について企業8社の協力を得ながら試作第1号機を完成させ、現在デモ機を製作中だ。

「iLock」は独自開発のケースにスマートフォンを入れて物理的に操作を不可能にする3Dサービスと、 アプリでロックをかける2Dサービスの融合型サービス。2Dサービス用アプリには、 ロック時間達成率の分析やお役立ち情報の提供などの機能が標準で搭載されている。 このほか有料サービスとして、ロック時間達成率のデータを、 「iLock」ユーザーの親御さんや友人と共有して切磋琢磨する、他ユーザーとの連携機能もある。 スマートフォンケース本体が3500円、2Dサービスは他ユーザーとの連携機能のみ有料で、月額200円(初月は料金無料)。

事業開始2年目で黒字化し、5年目から大幅な事業拡大を見込む。 個人ユーザーだけでなく、学校や学習塾などに向けたスマートフォンの使用管理も推進。 すでに学習塾の講師を対象にヒヤリングを行っており、好評を得ている。 横浜で起業することが目標だ。

質疑応答

受験生本人だけでなく親御さんなども対象にしていますが、どんな使い方を想定していますか?

学生にとってスマートフォンロック用のケースが3500円というのは値段が高いと思います。 学生自身がお金を貯めて買うこともあると思いますが、本人と親御さんと協力してスマートフォンの使用管理をしたい、 親御さんも買いたいという場合も想定されるので、まずは学生向けと親御さん向けの両方からスタートしたいと考えています。

受賞コメント

優秀賞おめでとうございます。

私自身、このサービスは売れるという自信がかなりありました。 このビジネスモデルを、こうしたビジネスコンテストで認めてもらえたということが嬉しいですね。

プレゼンで最も伝えたかったことは何ですか?

スマートフォンが勉強の邪魔になるという問題を、スマートフォンをあまり使っていない世代の方にも広く理解してもらいたいと思いました。 学生の「スマートフォン中毒」を解決することがいかに大切かということを一番伝えたかったですね。

女性起業家賞

株式会社ビヨンドザリーフ 代表取締役社長 楠 佳英氏
https://beyondthereef.jp/

プレゼン内容

「高齢者の技術を紡ぐ、手編みバッグブランド」

「この写真の女性は私の姑です。 夫が亡くなり、子どもたちも独立して大きな一軒家に一人暮らしをするようになった義母は、一日中編み物をして過ごすようになりました。 そのお義母さんにもう一度生きる喜びを感じてほしい。そんな思いですべてが始まりました」と楠氏は語る。

「義母が、得意な編み物をもう一度仕事にすることができ、もう一度社会につながることができたら、 寂しさを少しでも和らげることができるのではないか。 同じような立場の人がきっと数多くいるはずだ」という思いが、楠氏が会社を設立したきっかけだ。

同社は、若い女性向けの手編みバッグブランド「Beyond the reef」を展開している。 バッグの製作を手がけるのは、地域の高齢者の女性と子育て中の主婦。 「単に商品を売るのではなく、このバッグに紡がれたストーリーを届ける」ために、 あえて手編みから手縫い、仕上げ、裁断までのすべての工程で手作りにこだわっている。 受注生産制を採り、在庫は持たない。

2つ目のこだわりは、おしゃれであること。 ファッション誌やスタイリストと連携し、ターゲットに刺さる旬なデザインであることを最優先している。

3つ目のこだわりは「幸せの共有」。 同ブランドのバッグには1品1品に作り手の名前が入れてあり、商品を購入した顧客からメッセージが届く仕組みも設けた。 バッグを通じて人と人がつながり、作り手と顧客がお互いに「小さな幸せ」を共有することで、 双方が高い満足度を得ることをモットーにしている。

在宅時間が比較的長い高齢女性や主婦が、無理なく無駄なく楽しく、好きなことで社会に貢献できる新しい働き方を提案。 おしゃれと社会貢献を同時に達成できるファッションブランドとして広く認知されることを目指す。

質疑応答

ブランドの強みであるデザインを担っているのは誰で、またマーケティングをどう考えていますか?

私自身が16年間ファッション誌の編集を担当しておりました。今でもその雑誌に関わっており、 編集者やスタイリストなどの関係者も多数「Beyond the reef」に携わっていただき、商品作りをしています。 今の旬のデザインを即時に受け入れ、商品開発を行っており、今後もこうした体制でやっていきたいと思います。

受賞コメント

女性起業家賞を受賞した感想を聞かせて下さい。

今回、女性の応募者が6割を占めたということですが、その女性の皆さんの力をいただいたと感じています。 皆さんから力をいただいた私が失敗してはならない、絶対に頑張ろうと思いました。

プレゼンで最も訴えたかったことは何ですか?

高齢者の女性であっても、これだけ活躍できるということを、1人でも多くの方に知っていただきたいと思いました。 私がこのビジネスコンテストに出場し、この活動を1人でも多くの人に知ってもらうことで、 私と同じようなことをやる人が出てきてほしいと考えたのです。 全国に(それぞれ)違う「Beyond the reef」(のような会社)がたくさんできたら嬉しいですね。

一般部門

株式会社幸陽農舎 代表取締役社長 髙林 稜氏
http://koyo-bubble.com/

プレゼン内容

「いざ農業改革へ!低コスト・マイクロバブル栽培装置のレンタル販売」

「私は農家になりたくて、農業の勉強をしてきましたが、 自分の好きな農業に対して、ネガティブなイメージを持たれていることがとても残念です。 日本の農業をなんとか変えたい、日本の農業を元気にしなければ国が成り立たないという思いで、この会社を作りました」と、 髙林氏は会社設立の思いを語る。

あるとき、髙林氏は水中にマイクロバブルという微細な気泡を発生させる装置を導入し、成功した農業法人の社長に出会った。 マイクロバブルが水中に拡散し、汚れに吸着するため水が浄化されるだけでなく、 作物の根に供給される酸素量も高まり、成長を促進するのだという。

ところが、その装置は1台数百万円もする高価なもので、とても手が出ない。 「マイクロバブル発生装置を安くすることができないか」と考えた髙林氏は、 パートナーとともに試行錯誤して「大豊作ジェット」作り上げた。 既存製品にくらべて製造価を大幅に低減することに成功し、特許申請も終えている。

水と空気しか使わず、既存の水道の蛇口に装着するだけでマイクロバブルを発生させることができる。 これをレンタルで提供し、顧客が効果や使い勝手を体感して気に入れば、 顧客先の現場環境や使用目的に合わせたオーダーメイド品の購入も可能。

今後、代理店展開で顧客先を開拓していく一方、OEMで製造コストの低減をはかる。 また、環境、畜産、水産、食品加工、飲食店、ペット、住宅といった農業以外の分野にも用途を広げる。 すでに美容業界向けに開発した「marbe(マーブ)」を展開中。 自動車整備会社や中古車販売会社でも、洗浄用に同社製品を活用している。

農業以外にもマイクロバブル発生装置を普及させることで、 マイクロバブルで育てた野菜のブランド価値を向上させることを最終目標に、さまざまな分野への進出を目指す。

質疑応答

パテント戦略を教えて下さい。

技術そのものは、当社のエンジニアである取締役と一緒に設計したもので、特許申請も終えています。 特許を取得したあとは、特許が陳腐化する前に、新しい製品やサービスを投入していきたいと思います。

一般部門

株式会社ミソド 代表取締役 藤本 智子氏
http://miso-girl.com/

プレゼン内容

「即席味噌汁『みそまる』を横浜から世界へ」

藤本氏は6年前から、イベントやメディア出演などを通じて、 日本の伝統食文化である味噌の魅力を伝える「ミソガール」として活動を行っている。

若者の味噌離れが進んでいる中で、もっと手軽に味噌汁を飲んでもらいたいと考案したのが、 味噌に出汁と具材を混ぜて丸めた即席味噌汁「みそまる」だ。 お湯を注ぐだけで、いつでも本格的な味噌汁の風味が楽しめ、 ラップに包んで冷蔵庫で約1カ月保存することも可能。

既存のフリーズドライ製品にはない生味噌の風味が特徴で、 味噌や具材の組み合わせでさまざまなバリエーションが広がり、見た目にもかわいいサプライズ感がある。

これまでワークショップやセミナーなどを通じて「みそまる」を作る方法を伝えてきたが、 「みそまる」を販売してほしいという声が高まり、商品化に至った。

商品バリエーションは、6個入りの「ギフト用みそまる」のほか、 味噌、出汁、具材がセットになった「みそまるキット」、 飲食店やオフィス、ホテル、会議やイベントの大量注文に対応した「業務用みそまる」の3種類。

三浦半島の農家から素材提供を受け、食品加工は横須賀市の業者、 「みそまる」の製造は厚木市の味噌メーカーで行う「オール神奈川」の生産体制を構築。

生味噌の購入量は年々縮小傾向にあるが、 インスタント味噌汁市場は拡大しているほか、 海外でも味噌が注目されており、「追い風」が吹いている。

その土地の味噌や具材を利用し、手軽に作れる「みそまる」は、地域の活性化にも貢献できる。 横浜、神奈川からスタートし、全国各地に「みそまる」を広めていくことが同社の目標。 「味噌で健康」を、横浜から発信していく。

質疑応答

こうすれば「みそまる」がもっと広がるのに、という課題はありますか?

お母さんが作ったおにぎりがおいしいように、 「みそまる」も愛情を込めて作るとおいしくなるので、現在「みそまる」はすべて手作り。 ですが、味噌を丸める機械があれば、今後より広がっていくのではないかと思います。

一般部門

Tabel株式会社 代表取締役 新田 理恵氏
http://tab-el.com/

プレゼン内容

「ローカルのリソースを活かす、薬草HUB」

「お茶が変われば、からだも、社会も変わる」というのが新田氏の信条。 栄養管理士および国際中医薬膳調理師の資格取得のための勉強や、自身の体験を通じて、食べ物が体を変えることを実感。 ところが、栄養や効能が高いといわれ、薬膳などに広く用いられるクコの実や松の実などの食材は、 一般の人には入手が難しい。そこで目をつけたのが薬草だった。

薬草は世界に350種類以上あるといわれ、天然ハーブや在来ハーブ、最近注目を浴びているノンカフェインのお茶など、 興味深いキーワードが多い。 だが消費者からみると、潜在需要があるにもかかわらず、どんな薬草があるのかがよくわからない、 逆に薬草農家や工場などの作り手からすると、ユーザーの顔が見えず、どんな店舗でどう売ったらいいのかわからないという問題がある。 そこで新田氏は、人と人とのコミュニケーションの部分を担いたいと考え、 蓮の葉や月桃の葉、枇杷の葉などの国産薬草を用いた伝統茶ブランド「{tabel}」を2年前に設立。 現在、10商品を50店舗に卸販売している。

薬草に対する関心が高まる中で、新田氏自ら各地に足を運び、 市民とともに薬草の栽培・収穫や商品開発のワークショップを行っているほか、 大手小売チェーンのオリジナル商品の開発も監修した。

伝統茶の卸販売や飲食店の運営、食品および化粧品メーカーへの乾燥ハーブの販売、 ハーブ・野菜工場の加工工場の展開などを通じて、10年後に年商30億円を達成することが同社の目標だ。

質疑応答

店舗展開のお話がありましたが、横浜で出店をするなら、どんな場所を考えていますか?

観光客も含めて、普段多くの人通りがある大桟橋付近のエリアです。 もう1つは、お客様がわざわざ車で通って下さるような山の近くのエリア。 山で採取した薬草や作物を味わっていただけるレストランを考えています。 消費者に近いエリアと生産者に近いエリアの2方向で探していきたいですね。

一般部門

ホルドナマーケット 代表 和田 美香氏
http://www.holudona.com/

プレゼン内容

「通学を守る! 20秒で合羽が着られるポーチ」

「ここで皆様に質問です。小学校低学年の子どもが1人でランドセルの上からコートを着られると思いますか?」

和田氏は保育士の資格を持つ2児の母。彼女の息子がレインコートを持っていったのに、ずぶ濡れで帰ってきたことがあった。 それをきっかけに、和田氏は、リュックやランドセルの上に取り付けてレインコートがすぐに着られる反射板付きのポーチを発明。 「KAPAPA(カッパッパ)」と名付けて販売を行っている。

ポーチの中のカラビナにレインコートを取り付けるだけで簡単に装着でき、雨が降ったらすぐにレインコートを取り出せる。 フードをかぶれば、あっという間にレインコートを着ることができ、 雨がやんだらレインコートをたたまずに、ぐるぐると丸めて、すぐにしまうことができる。

メディアにも注目され、テレビ番組などでもたびたび紹介されている。 特許、商標、意匠について知財対策もしっかり行った。

流通手段はBtoB、BtoC、OEMで、OEM販売を中心に展開していく。 すでに東京都内のキッズサッカーチームとの連携が決まり、横浜市内の小学校とレインコートの共同開発を視野に入れて商談中。 今後、ランドセルメーカーへの販売を行う計画だ。

「子どもの移動と安全をサポートし、雨の日の不便を解決することにより、 通学時の交通事故の減少につなげて、天候に左右されず安全快適に屋外活動を行える商品作りをしていきたい」と、和田氏は抱負を述べた。

質疑応答

「KAPAPA」のラインナップを今後どう展開していきますか?

最初は子ども向けの「KAPAPA」として販売し、大人向けの商品も展開していきます。 その後、遊園地などに簡易的な「KAPAPA」を販売したり、防災時に使える商品などを順次展開していく予定です。

学生部門

横浜市立大学 下村 果南氏

プレゼン内容

「アプリで幼稚園探し!『園searcher』」

現在就活を行っている下村氏は、 「一番の不安は結婚、出産、育児というライフイベントのあとに仕事を続けられるかどうかということです」と話す。

一般に、専業主婦は子どもを幼稚園に預け、共働き家庭は保育時間の長い保育園に預けることが多い。 ところが国と横浜市の施策によって、横浜市の幼稚園の62.5%が保育園と同様の11時間保育を行っていることが母親たちにあまり知られていない。

そこで下村氏は幼稚園の紹介事業が必要だと考えた。 市内の母親たちに調査を行ったところ、シンプルでわかりやすい入園手続きや、 各幼稚園の詳細情報を一覧で確認できるサービスが必要とされていることがわかった。

こうしたニーズに応えるために下村氏が提案するのがスマートフォンアプリ「園searcher」だ。 住んでいる地区や予算に加え、バス(での送迎)や給食、預かり保育などの希望するサービスを登録し、検索を行う。 条件に合った幼稚園の詳細情報が一覧で表示され、エントリーボタンを押すと希望の幼稚園への入園を申し込める。

横浜市に特化することで、市内の幼稚園をくまなく網羅し、母親のニーズに配慮した情報を提供できることが「園searcher」の大きな特徴。 幼稚園から最新の情報を受け取る一方、ユーザーである母親からの口コミ情報も受け取り、サービスに活用する。 アプリのダウンロード料金の200円が主な収益源。アプリ開発等に必要な資金調達には、クラウドファンディングの活用も含めて検討する。

各地域や自治体が保育政策に力を入れている中、他地域の展開で事業を拡大していく。 「働きたいお母さん、子育てをしたいお母さんの両方を支えるアプリを作っていきたい」と、下村氏は抱負を述べた。

質疑応答

アプリのダウンロード料金のほかに収益源はありますか?

母親たちは口コミを重視しているので、幼稚園の日常の様子をアプリ内で紹介できる仕組みを作り、 その情報を定期的に更新していくことで、月額いくらという形で課金することも可能だと考えています。

学生部門

早稲田大学 片野 航太氏

プレゼン内容

「水産業の持続可能性と地方創生~水産物のブランディング戦略~」

いま水産業の現場では「魚が捕れなくなった」、「魚が高く売れない」という声が上がっている。 漁獲量が年々減少し、撮れる魚のサイズも小さくなってきていることから、 日本の水産業は「儲からない産業」になっていると、片野氏は指摘する。

片野氏によれば、その理由は地球温暖化ではなく、 漁獲枠の設定により一時的に漁師に減収が発生してしまうこと、 日本国内での水産資源管理の成功例が少なく、ノウハウが乏しいことの2つが挙げられる。

片野氏はこの問題を解決するために、資金的に困っている漁師へのサポートに加え、 水産資源管理の専門的なノウハウを提供し、漁師がビジネスを持続的に行える仕組みを作りたいと考えた。

漁師の一時的な減収については、第1にクラウドファンディングを活用。 また北欧における水産資源管理の成功例をもとに、日本の漁協向けにコンサルティングを行い、 資源回復ののち売上高に応じたフィーを回収する。 その後、水産物におけるサステナブルブランドのグローバルスタンダートである 「MSC認証(持続可能で適切に管理され、環境に配慮した漁業を認証する「海のエコラベル」とも呼ばれる制度)」取得の手続きを代行。 それを踏まえて海外で高まっているサステナブルシーフードの需要に応え、販路を拡大していく。

現在、MSC認証取得のフロントランナーとして資源管理に取り組み、 サステナブルシーフード需要のある欧米小売をターゲットに販路拡大を目指している漁師と、 スズキ漁のモデル事業を検討中。資源管理に真剣に取り組みたい漁師と、小売とをつなぐパイプ役としての役割を果たしていく。

質疑応答

海外での水産資源管理は国が主導して行っているのでしょうか。 あるいは民間会社が行っているのでしょうか?

世界で最も進んでいるノルウェーでは、国が主体となっていて、 各漁協や水産会社はその政策にしたがって事業を進めています。 日本の資源管理についてですが、たとえばアメリカが漁獲枠を528種類定めているのに対し、 日本ではまだ9種類しか設定されていません。 国が積極的に取り組んでいないぶん、(然るべき資源管理の確立には)まだ時間がかかりそうなので、 私はビジネスの立場からこの問題に取り組みたいと思いました。