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海外現地レポート

2017年メキシコ最低賃金と過去の賃金水準の推移

 日本企業のメキシコ進出は2011年以来急増しています。最近では、各企業とも人材の採用を強化しており、賃金水準も変わり始めています。メキシコの賃金水準は、世界的に見ても低いと言われていますが、具体的にはどのように推移しているのか、そして、昨年12月に発表された最新2017年の最低賃金も合わせてまとめていきます。

 メキシコの最低賃金は、全国最低賃金委員会(CONASAMI :El Consejo de Representantes de la Comision Nacional de los Salarios Minimos)の決定を受け、毎年12月に発表され、翌年1月1日から適用となります。昨年2016年の最低賃金は、前年比4.2%UPの73.04メキシコペソ(MXN)/日です。2015年度の最低賃金は、70.10MXN/日であり、2014年度からの上昇率は今回と同様に4.2%でした。過去5年間を振返っても平均して4.2%の上昇率を示しており、安定した数値となっています。

 なお、メキシコの最低賃金は、2015年まではエリアをAとBの二つに分け、それぞれ最低賃金を定めておりました。エリアAは、メキシコシティをはじめティファナのあるバハ・カリフォルニア州、モンテレイのあるヌエボ・レオン州などの、いわゆる都市部が中心であり、一方エリアBは、日系企業の進出が盛んなエリアであるアグアスカリエンテス州やグアナファト州、ケレタロ州などが含まれていました。そして、2016年からはA、Bとも最低賃金が統一されたのですが、この背景には多くの自動車関連企業が進出しているバヒオエリアでの仕事が急激に増え、メキシコシティなどの都市部と比べ仕事量にあまり差がなくなったことが考えられます。

 そして、CONASAMIは、2016年12月1日付で2017年度の最低賃金を前年比3.9%UPの「80.04MXN/日」に合意したと発表し、同年12月19日の官報によって、同金額が2017年度の最低賃金として最終決定されました。これにより、2017年1月1日よりメキシコにおける最低賃金は80.04MXN/日となります。上記の通り、2016年の最低賃金は73.04MXN/日ですので、純粋に考えれば最低賃金は対前年比で9.6%も上昇することになりますが、CONASAMIの発表では最低賃金の上昇率はあくまでも3.9%だと言っています。当局の発表内容を見る限りでの彼らの説明は以下の通りです。
 「既に公表したように、本年(2016年)夏に最低賃金を1日当たり4.00MXN上昇させる予定であったが、イギリスのEU脱退やアメリカ大統領選の結果等の世界経済の影響によって、それはかなわなかった。一方で、この上昇は本年(2016年)度の最低賃金としては認識させる必要があるため、2017年度の最低賃金(80.04MXN/日)と比較する2016年度の最低賃金は77.04MXN/日にする必要がある。よって、2017年度最低賃金の上昇は77.04MXN/日を基準として考えるため、3.9%の上昇になる。」

 当局からの発表内容を見る限りでは、実際に最低賃金77.04MXN/日が適用されることはなく、あくまでも2017年度の最低賃金との比較計算するために使われるだけのようです。しかしながら、ここ数年は対前年比で4%前後の上昇であったことを踏まえると、2017年の上昇率は高い水準となっています。

 そもそも、なぜ毎年少なくとも1回、最低賃金は増加するのでしょうか。その理由は、インフレ率が大きく影響しています。購買力の低下を防ぐ為、最低賃金もインフレ率に比例して上昇しており、なお、2016年のインフレ率は2.82%(IMFによる2016年10月発表)であり、2015年は2.27%になっています。

 
【参照】IMF-World Economic Outlook Databases
mexicolabourcost2.pngのサムネイル画像
 表から考えますと、最低賃金の上昇率は2014年まではインフレ率とほぼ同率でしたが、2015年以降はインフレ率を上回っています。すなわち、景気動向だけでなく、実際の賃金が高まっていることを意味します。
 まだまだ発展途上のメキシコにおいて、賃金水準は今後も上昇していくものと考えられます。その為、優秀な人材確保のためには賃金だけでなく従業員にとっての働きやすさに注目し、長く働いてもらえる環境、体制作りが重要なポイントの一つになっていくのではないかと考えます。

情報提供: 株式会社東京コンサルティングファーム 濱咲 克心 氏

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